便秘症
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小児慢性便秘症の新しい治療戦略
済生会横浜市東部病院
 小児肝臓消化器科
 十河 剛先生
- 慢性便秘症のお子さんは
 
- 一週間に2回以下の排便です。
 - 少なくとも週に一回の便失禁があります。
 - 便を我慢する姿勢や過度の自発便の貯留があります。
 - 毎日排便があっても便秘のことがあるので注意が必要です
例えば毎日の排便が本来出るべき量の1/2しか出ていないと便秘になる訳です。 - お子さんの便秘の頻度は15%くらいです。
 - お子さんがトイレで排便が出来ないと、お母さんはついついお子さんをしかってしまいます。
 - 便秘のお子さんは友達から体や口が臭いと言われてしまいます。
また便秘のことを恥ずかしいから言えません。 - 便秘は家族集積性があるので親御さんが便秘だとお子さんが便秘でも普通と考えている親御さんがいる傾向があります。
 
- 便秘の症状は
 
- 腹痛
 - 裂肛
 - 直腸脱、痔核
 - 肛門周囲の便の付着
 - 嘔吐、吐き気
 - 胃食道逆流症、げっぷ、口臭
 - 集中力低下
 - 夜尿、遺尿
 - 飲み込みにくい
 - のどがイガイガする
 
- 便塞栓除去をするタイミングは
 
- 少量の硬いウンチ
 - 肛門の周囲やパンツにウンチがつく
 - ウンチがなかなか出ないのに下痢便
 - オシッコはトイレでできるのに便は漏らしてしまう時にしてあげると良いでしょう。
 
- お尻のフタの便塞栓を取り除きます。
 - お尻まで降りてきたウンチは、我慢せずに出せる習慣を身につけさせると良いでしょう。
 - ウンチ=苦痛、恐怖
↓
ウンチ=気持ち良い、スッキリ
のように脳にかかれた間違った情報を変えていくことが大切です。 - 直腸は普段は空っぽの状態です。
直腸にウンチが降りてきたら、ウンチをして直腸を空っぽにしましょう。 - 便秘のお子さんは、便秘でないお子さんに比べて脂肪の多い食事をとっているので食事はバランス良くとることが大切です。
 - 経口補水液は、体の中に水分を保持出来るので、便秘にも良いかもしれません。
 - 繰り返す浣腸はお子さんに恐怖心を与えてしまいます。
 
- モビコールは
 
- モビコール継続中のお子さんは浣腸の追加をしなくて良くなります。
 - モビコールを使い始めると排便回数の改善と固い便がバナナようなウンチに改善します。
 - モビコールは水分を腸管内から逃さない機能があります。
 - モビコール開始後は大人の手にのるくらいの量のウンチが出ることが目標です。
 - モビコール開始後に便秘に効果がない時はヒルシュスプルング病や牛乳アレルギーを考える必要があります。
 
- お子さんの便秘は成人に移行することがあります。
 
一旦、治療が成功しても高率に再発する可能性があります。
 便秘でない状態が治療目標で、薬物療法は6~12か月必要です。
 便秘の治療を早目に止めると再発しやすい特徴があります。










