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           小児気管支喘息のよりよいコントロールを目指して
国立病院 三重病院 藤澤隆夫先生講演会

@コントロール良好にみえても(症状が表にでていなくても)その中には実際には「EIA」(運動誘発性喘息)が40%くらいみられます。「EIA」は、普段は喘息の症状が出ませんが、運動しますと咳や呼吸困難や喘鳴(ゼイゼイ)が出るのが特徴です。
A「EIA」の治療はまず「抗炎症薬(ステロイドの吸入薬)」になります。
Bβ刺激薬には「気管支保護効果」があります。
C「アドエアー」は「ステロイド」と「β刺激薬」の両方含まれている吸入薬ですので「抗炎症効果」と「気管支保護効果」で「EIA」に効果があります。
D「軽症」な喘息や「安定した」喘息にみえても、実は「喘息」が重いことがあります。
E走ったり、運動したり、スポーツをしたりすると「喘息(EIA)」でどのくらい困っていますかと、お子さんに確認することが大切です。何故ならば、お子さんは走ったり、運動したり、スポーツしたりしている時に「喘息」の症状が出ていてもそれは運動しているせいで問題はないと考えていて、このことをお母様に話をしていないことが多いからです。
F「EIA]に効果があります「アドエアー」吸入手技が正しくされていませんと、「喘息」のコントロールは良くありません。「アドエアー」は「しっかり」と「深く」吸うころが正しい吸入方法です。
Gアドヒアランスのよくないお子さんでは(治療をしたがらないお子さん)では「アドエアー」を実際に吸入して吸入した後の自覚症状の改善を体感させるのが一番良いでしょう。
           〜小児ぜん息・特に乳幼児ぜん息について〜
福井大学 眞弓 光文先生 講演会
@お父さん、お母さんにアトピー起因(アトピー性皮膚炎、ぜん息、アレルギー性鼻炎)がない乳幼児ぜん息のお子さんの方が早くぜん息が治っていきます
Aアトピー性皮膚炎や、食物アレルギーのない乳幼児ぜん息のお子さんほうが早くぜん息が治っていきます。
B血液検査で好酸球増多のない乳幼児ぜん息のお子さんの方がぜん息が早く治っていきます。
C内服のステロイドや気管支拡張薬の吸入で症状(ゼイゼイ、ヒューヒュー)の改善がみられない乳幼児ぜん息のお子さんは早くぜん息が治っていきます。
D細気管支炎の既往のある乳幼児ぜん息のお子さんの方が早くぜん息が治っていきます。
E乳幼児で短期間にぜん息の大発作(重症の発作)を反復する要因として細気管支炎の既往があります。
F乳幼児ぜん息と診断されたお子さんの中で、3〜4年後に、ぜん息の症状が続いていたのは47%でした。
G乳幼児ぜん息と診断されたお子さんが寛解(ぜん息の症状がなくなり治った状態)に至ったのは、主に3〜4才でした。
            小児軽症ぜん息の適正マネジメントを考える
小児軽症ぜん息の適正マネジメントを考える
Early Supporting Useを交えて
東京慈恵会医科大学 勝沼俊雄先生講演会

1.ステップの徴候を考えましょう。

軽症ぜん息と「運動誘発性ぜん息」(EIA)
@EIAがありますと気道過敏症が亢進して運動が苦しくて十分にできないことがあります。

AEIAにはロイコトリエン拮抗薬(オノン・キプレス)が最も有効です。(第一選択薬です。)

BEIAでは運動負荷しますと呼吸器機能が低下しますが、正常なお子さんでは呼吸器機能の低下はみられません。

CEIAには短期の使用でも長期の使用でもロイコトリエン拮抗薬(オノン・キプレス)の効果がみられます。

2.ステップ2への追加治療

@ホクナリンテープが良いでしょう。

A2〜5才では風邪気味の時に早期のホクナリンテープを貼りますと、呼吸器の症状の改善んが良くなります。

B4〜12才の軽症〜中等度のぜん息のお子さんが、症状が不安定化した時の短期の追加治療する時にホクナリンテープがよいでしょう。

3.ステップ2からのステップダウン

@吸入ステロイド薬の間欠的吸入があります。これは症状の怪しい時だけ吸入ステロイド薬を使用するものです。

A吸入ステロイド薬の連日吸入が有効ですが間欠的吸入にも一定以上の効果があります。

4.ぜん息とアナフィラキシー

@アナフィラキシーの患者さん(お子さん)には「ぜん息」の既往が多い特徴があります。

A「ぜん息」を合併する食物アレルギーのお子さんには「アナフィラキシーが起きたら」的な実践的対策を提案しておくべきと思われます。

B食物アレルギーのお子さんが「ぜん息」を合併して「ぜん息」のコントロールが良くありませんと、アナフィラキシーを起こしやすい可能性があります。
この場合「ぜん息」のコントロールには「ゾレア」(抗IgE抗体薬)の使用がよいでしょう。

C食物アレルギーでアナフィラキシーで死亡するケースにはエピペンが効かないケースもあるので注意が必要です。

D食物アレルギーで「上気道(喉・気管支)」の収縮が強い呼吸器症状にはエピペンは効きますが「下気道(肺)」の収縮が強い呼吸器症状にはエピペンは効かずステロイドが効きます。

E食物アレルギーで「ぜん息」発作が強い時には要注意です。
            気道ウイルス感染と小児気管支喘息
気道ウイルス感染と小児気管支喘息

獨協医大 吉原 重美先生講演会より

 1.ウイルス感染によるぜん息の発症の予防効果がロイコトリエン拮抗薬(オノン)にみられます。

 2.ウイルス感染によって増悪するぜん息をロイコトリエン拮抗薬が予防します。

 3.ぜん息の危険因子として

 @アレルゲン(一番多いのはダニ)
 
 Aウイルス感染による呼吸器感染
 
 B受動喫煙

 4.アトピー型ぜん息は乳幼児には少なく学童期に多くみられます。

 5.反復する「喘鳴」(ぜいぜい)はぜん息として早期にロイコトリエン拮抗薬で治療開始するのが良いでしょう。

 6.乳児の反復する「喘鳴」(ぜいぜい)は、早期にロイコトリエン拮抗薬で治療開始して、学童期以降のぜん息の進展を予防するのが良いでしょう。

 7.「喘鳴」(ぜいぜい)を繰り返している、お子さんは1〜3才ですでに気管支の基底膜の肥厚(リモデリング)(気管支の内膜が狭くなった状態)を起こしています。

 8.明らかなウイルス性の「喘鳴」(ぜいぜい)でも気管支の基底膜の肥厚は起きていますので、ロイコトリエン拮抗薬で早期に治療するのが望ましいといえます。

 9.ぜん息の診断がついていますお子さんにロイコトリエン拮抗薬を投与しますと、ウイルス感染による「喘鳴」(ぜいぜい)の予防効果があります。

10.お子さんの皮膚の状態を良くしますと、呼吸器(肺・気管支)の状態も良くなります。

11.健常児のお子さんはRSウイルス感染に罹患しても、上気道の感染のみで終わり、下気道の細気管支炎にはなりません。

12.重症のぜん息では、過去に重症のRSウイルス感染(細気管支炎)があったお子さんに多くみられます。

13.RSウイルス感染による細気管支炎で気道上皮障害が強く起こりますと、その後にぜん息になります。

14.気道上皮障害の起こりやすい体質(遺伝的体質)があるお子さんが、ぜん息になりやすい傾向があります。

15.RSウイルス感染予防のシナジスを投与しているお子さんの方が、投与していないお子さんに比べて反復性喘鳴(ぜいぜい)は少なく、アトピー型ぜん息が抑制されます。

16.3才未満のお子さんでは、アトピー型多因子重症ぜん息で、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎・食物アレルギーの合併が多くみられます。

17.アトピー要因のある食物アレルギーのお子さんに

 @TH2サイカイン阻害薬(IPD)

 A抗ヒスタミン薬
 
 を投与しておきますと、ぜん息の発症を予防出来る可能性があります。
 @の方がAより最近は効果があると考えられています。

18.9月1日から10月中旬にロイコトリエン拮抗薬を内服していますと、ぜん息の症状が悪化しにくいことがわかっています。
学童期 気管支喘息の治療戦略
学童期 気管支喘息の治療戦略

獨協医科大学 吉原 重美 先生講演会

学童期ぜん息(5才〜15才)

 1)ぜん息症状を気にすることなく日常生活をおくれていない患者さんは30%前後います。
 
 2)保護者の60%は現在行なわれているお子さんのぜん息の治療に満足していません。
 
 3)学童期のぜん息に行われている治療はまだ不十分なものが多い傾向にあります。
  (実際はもう少し上のレベルの治療が必要なお子さんが多いのが現状です。)
 
 4)学童期ぜん息の90%はアトピー型です。
 
 5)学童期ぜん息の治療は
 
 @90%はアトピー型なので診断と治療がしやすい傾向にあります。
 
 Aアトピー型の学童期ぜん息では吸入ステロイド薬が良く効きます。
 
 B軽い症状のうちから治療をしましょう。
 
 6)受動喫煙や運動でぜん息の症状が出るのは気管支の壁が厚くなり、気道が狭くなるリモデリングという状態が起きているサインです。
 
 7)学童期にぜん息の症状が重いと、リモデリングが進行しています。
 
 8)アレルゲンにより気道の収縮が起きると、リモデリングが起こります。
 
 9)ゼイゼイとぜん息の発作を繰り返しているお子さんは、リモデリングが進行しています。

10)マイコプラズマ感染症でも、気道過敏性が亢進しますので、ぜん息が起こりやすくなります。

11)ぜん息の症状が消失していても、気道過敏性だけではかなり長期に残っていますので、吸入ステロイド薬でしっかりと長期間治療することが大切です。

12)ぜん息の気道過敏性を改善してぜん息の発作を未然に防ぐためには、長期間のコントロールを維持する必要があります。

13)気道収縮を繰り返していますと、気道のリモデリングが進行しますので、お薬による治療を継続すると共に、周辺環境の完備(例えばダニ対策や周囲の禁煙)が大切です。

14)軽症〜中等度のぜん息では吸入ステロイド薬の方がロイコトリエン拮抗薬(オノンやキプレス)より症状のコントロールが良く、呼吸機能の改善も良い傾向にあります。

15)運動誘発性ぜん息では、吸入ステロイド薬はロイコトリエン拮抗薬よりも、運動誘発の気道収縮の抑制効果が高いのが特徴です。

16)吸入ステロイド薬はロイコトリエン拮抗薬に比べて呼吸機能の改善が大きい傾向にありますので、ぜん息における第一選択の治療薬です。

17)学童期ぜん息で吸入ステロイド薬がそれほど有効でない患者さんも一部いますので、その場合にはロイコトリエン拮抗薬やテオフィリンの併用も必要です。

18)学童期ぜん息の患者さんで、ぜん息の症状がある患者さんで、小学生〜高校生での吸入ステロイド薬の使用率が低いのですが、本来ならば吸入ステロイド薬で治療されるべきものです。

19)学童期ぜん息で十分な治療を受けていない(吸入ステロイド薬未使用)の患者さんが依然として多いのが現状です。
   特に中学生では全く治療を受けていないぜん息の患者さんが80%近くを占めています。

20)思春期に入るまでの十分な吸入ステロイド薬の治療を続けていくことが大切です。

21)5才〜15才のぜん息の患者さんに対して、今までの薬剤を中止してパルミコート吸入剤に変更したところ、患者さんのぜん息症状の改善とその保護者の満足率が良くなっています。
   さらに病院を受診する回数が著明に減りました。

22)他の吸入ステロイド薬をすでに使用しての患者さんに、パルミコート吸入剤の単独治療による治療を行ったところ、開始から4週間までにぜん息症状の改善とその保護者の満足度の改善がみられました。

23)学童期ぜん息のコントロールを良くするには
 @アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎 
 A月経
 B肥満
 Cステロイド薬拮抗性
に注意することが重要です。

24)早い段階から吸入ステロイド薬の使用を検討して、思春期に入るまでに、ぜん息を完全にコントロールすることがとても大切です。

25)ぜん息は学童期以前にしっかりと治療してコントロールしておくことが大切です。

 

小児気管支喘息の自然歴を考える早期介入と治癒は可能か?
〜国立三重病院 藤澤隆夫先生講演会より〜

@お子さんにフィラグリンの遺伝子異常がありますと、ぜん息の発症のリスクになります。お子さんのフィラグリンの遺伝子異常がありますと「ぜん息」の発症を1.8倍の頻度に増加させます。

Aお子さんで「アトピー性皮膚炎」と「ぜん息」がありますと、さらに「ぜん息」の発症のリスクが高くなります。

Bお子さんにフィラグリンの遺伝子異常がありますと「ぜん息」や「アレルギー性鼻炎」のリスクを高めます。

Cお子さんでは、ぜん息予防にスキンケアが大切です。

Dお子さんのアレルギー性鼻炎や非アレルギー性鼻炎は「ぜん息」と関連があります。

Eお子さんの鼻の通りやすさと「ぜん息」のは関連があります。お子さんの鼻が通りにくいと「ぜん息」が増えてきます。

Fお子さんに鼻炎がありますと炎症が鼻から始まります。

G乳幼児期のウイルス感染にアレルゲンに暴露して、アレルギーがおこりますと「ぜん息」が発症します。

H「ぜん息」のお子さんは、感染によって「ぜん息」の症状の悪化が多い傾向があります。

Iより多くの種類の微生物に暴露しますと「ぜん息」の発症が予防されます。例えば農場に住んでるお子さんは様々な細菌に接触しますので「ぜん息」の発症がゆるい傾向になります。

J3才の時に吸入ステロイドをたくさん使用を必要としているお子さんは、気管支の基底膜が肥厚く気管支の壁が厚くなっている状態にいます。つまりぜん息が進行しているのです。

Kロイコトリエン拮抗薬(キプレスやオノン)を2〜5才のお子さんに連続投与しますと、「ぜん息」の悪化は少なくなります。

Lロイコトリエン拮抗薬(キプレスやオノン)は、お子さんの「ぜん息」の急性発作に使用しても「ぜん息」の症状の改善に効果があります。

Mロイコトリエン拮抗薬(キプレスやオノン)は、早期に使用を開始しますと「ぜん息」の発症を防ぐことが出来る可能性があります。

N1才未満でウイルス感染によっておこるぜん息のようにゼイゼイするお子さんにロイコトリエン拮抗薬(キプレスやオノン)を早期に使用しますと「ぜん息」発症の予防に効果が出るかもしれません。
     小児気管支喘息


日本大学 橋本光司先生講演会

1.抗IgE抗体(オマリズマブ)による治療の効果は
 
 @ゴキブリやチリダニのアレルギーのあるお子さんには有効です。
 
 A秋と春の喘息の増悪を予防して、その他の治療薬が減少出来ました。

2.ステロイド抵抗性重症喘息には

 @テオフィリン療法も良いでしょう。

 Aマクロライド少療法も良いでしょう。

 Bシクレソニド(オルベスコ)の吸入ステロイド療法も良いでしょう。

3.幼児期に過体重(肥満)がありますと、8才時点での「喘息」及びアレルギーの発症のリスクが増えます。
 8才児に肥満がありますと「喘息」になりやすくなります。

4.重症喘息では
 
 @症状は急速に悪化した時にはビタミンDの値が低くなっています。

 A肺機能も低下しています。

 BビタミンDが低いと気管支の壁の粘膜が肥厚して、気管支の内径が狭くなるリモデリングという状態が進行しています。

5.5才未満に使える吸入ステロイド薬のパルミコート吸入薬は

 @連日投与した時と風邪をひいて喘息が悪化した時だけ投与した時で比べてみた場合の経過に差はありません。

 Aパルミコート(0.5r)吸入薬を2週間の短期に投与でも良いでしょう。

6.遺伝子騎乗がある喘息のお子さんでは、吸入ステロイド薬が効きにくい場合があります。

7.中等度〜重症の喘息のお子さんの急性発作に対して抗コリン薬(スピリーバ)を使用しますと、症状の改善が良いことがあります。
     小児ぜん息の最新治療


富山大学 足立雄一先生講演会より


@ウイルス感染がありますと「ぜん息」の発作時に使用するβー2刺激薬(メプチン)が効きにくくなります。

A乳幼児のウイルス感染によるぜん息発作は、内服のステロイド薬の効果はみられません。

B上気道感染罹患時の抗ロイコトリエン拮抗薬(オノン)の間欠的投与は、ぜん息発作による医療機関への受診を減らせる効果があります。
(上気道感染時に抗ロイコトリエン拮抗薬をその時だけ内服しても効果があるということです。)

Cぜん息のお子さんに抗ロイコトリエン拮抗薬を継続して内服していますと、感染症の合併を低下させて発作時に使用するβー2(メプチン)の頓用使用を減らせる効果があります。

D運動や大笑い・泣いた後・起床時に一過性にみられるがすぐに消失する咳や喘鳴(ゼイゼイ)は、これも「ぜん息」の軽微な症状ととらえないといけません。

Eぜん息の症状のコントロール目標は発作時のβー2頓用使用の減少または必要がなくなり、昼夜を通じて「ぜん息」の症状がないことです。

Fぜん息の症状が改善がみられない場合は、次のことについての注意が必要です。

1)お子さんの近くにタバコを吸っている人がいないか。
2)お子さんの近くにペットがいないか。
3)タバコやペットは「ぜん息」には危険因子ですので、回避できているかどうかの確認が必要です。
4)ステロイド吸入薬を正しく出来ているかの確認が必要です。適切な正しい吸入が出来ていませんと効果がありません。
 「エアロチャンバー」や「VORTEX」などの吸入補助器具を使用するとより吸入効果が上がります。

G鼻炎のあるお子さんには「ぜん息」の有症率が高くなります。

H鼻炎の重症度が増しますと「ぜん息」の有症率が高くなります。

I鼻炎をもっているお子さんは鼻炎のないお子さんに比べて3倍くらい「ぜん息」になりやすくなります。

J鼻炎をもっているお子さんは鼻炎のないお子さんに比べて6倍くらい「重症のぜん息」になりやすくなります。

K鼻炎を合併している「ぜん息」では吸入ステロイド薬よりも抗ロイコトリエン拮抗薬の方が良く効く傾向があります。

L鼻炎がお子さんに残っていますと、将来大人になった時に「ぜん息」になる可能性があります。

M点鼻のステロイド薬は全身に回ることはありませんので、吸入ステロイド薬と点鼻のステロイド薬の併用は問題ありません。
(併用することでステロイドの副作用が増えることはありません。)
     小児軽症ぜん息におけるツロブテロールテープ(ホクナリンテープ)の位置づけ
〜獨協医大 吉原重美先生講演会より〜


@軽症ぜん息であっても積極的に治療することが大切です。
A軽症ぜん息は軽いぜん息という意味ではありません(軽症ぜん息でも小児では死亡する例があるからです。)
Bぜん息の治療は吸入ステロイド薬とツロブテロールテープ(ホクナリンテープ)の併用が重要です。
Cぜん息の症状が良くない時には、朝方の呼吸器機能が低下してきますが、このような時に、吸入ステロイド薬を倍量に増やすよりも、吸入ステロイド薬にツロブテロールテープ(ホクナリンテープ)を追加した方が、ぜん息の呼吸器症状がより改善してきます。(呼吸機能が改善してきます。)
D吸入ステロイド薬とツロブテロールテープ(ホクナリンテープ)の併用は軽症から中等症持続型のぜん息のお子さんにおいて、吸入ステロイド薬の倍量をするよりも、朝方の呼吸器機能の改善がみられます。
E軽症ぜん息においては、呼吸器症状の増悪や急性のぜん息発作が予見される時から、症状が消失するまで、しっかりとツロブテロールテープ(ホクナリンテープ)を使うことが、ぜん息のコントロールを良くする可能性があります。
     実臨床に即した小児軽症ぜん息のマネジメント

〜東京慈恵会医大 勝沼俊雄先生講演会より〜


何故、軽症ぜん息を考えるのでしょうか。
@小児のぜん息の75%が軽症のぜん息です。
Aほぼ連日ぜん息の症状があっても、90%のぜん息のお子さんは、調子が良いと評価しています。つまり過少評価になっているのです。
B20歳未満では、軽症のぜん息であっても、その死亡率は重症のぜん息と、あまり変わりはありません。
C軽症のぜん息患者さんの重症の増悪発生率は、成人では0.77/人/年であり軽症のぜん息といっても重症化するので注意が必要です。
Dお子さんの軽症のぜん息の、およそ4割は成人になってもゼイゼイとぜん息のは発作をおこしてきます。
Eぜん息の症状が出てから2年以内にステロイドの吸入薬を開始した方が発作から2年以降にステロイドの吸入薬を開始したグループより呼吸機能の改善が良い傾向にあります。
F2歳過ぎから、お子さんのぜん息では気道の壁が厚くなってくるリモデリングという状態が始まります。リモデリングがおきてきますと空気の通り道である気道が狭くなりますので、ぜん息の悪化の原因になります。
G咳やゼイゼイや呼吸困難などの症状が出て不安定な時には、現在のぜん息の治療薬に追加のお薬を加えなければいけません。例えば吸入ステロイド薬を使用しているお子さんならホクナリンテープ(ツロブテロールテープ)の追加治療をすると、ぜん息の症状は改善します。
H隠れ軽症のぜん息が多く潜んでいる可能性が十分にあります。
Iホクナリンテープ(ツロブテロールテープ)は追加治療として一時的に使用するのは良いのですが、このテープを長期にわたって使用するのは、喘息死を高める可能性がありますので適切ではありません。
Jホクナリンテープのジェネリックのツロブテロールテープを使用していて、ぜん息の症状の改善が不十分な時は先発品のホクナリンテープに変更するとぜん息の症状が良くなります。
   気管支喘息における末梢気直病変の病態と治療
札幌医科大学 田中裕士先生講演会より

@7歳の時に重症の「ぜん息」であったお子さんの、50歳時の時点での慢性閉塞性肺疾患(タバコ病)や重症持続型の「喘息」の発症のリスクは「32倍」と高値であります。すなわち7歳までの小児のうちの「ぜん息」のコントロール(治療)が、とても大切になるのです。
A走った後の息切れや、風邪を引いた後の長引く咳は「ぜん息」の重要な症状になります。
Bステロイドの吸入薬は、お薬の粒子径(大きさ)が小さい方が、肺の末梢の細かい気管支までお薬が到達しますので、例えば今使用しているステロイドの吸入薬で 「ぜん息」の症状が改善しない時は粒子径(大きさ)のより小さいステロイドの吸入薬に変更すると良くなることがあります。
C肺の中の末梢の細かい気管支は、とてつもなく広範囲でありますので、肺の中の中枢の太い気管支が治っても末梢の細かい気管支が治らなければ「ぜん息」は良くなりません。
D肺の中の気管支の病度は不均等でありますので、気管支の壁が炎症(火事)で厚くなっている場所もあれば、全く正常の気管支になっている場所もあり、これらが混在しているのです。
E例えば、肺の中の気管支の全てが病変になってしまったら、人間は死亡してしまうのです。
   環境とアレルギー

国立病院機構福岡病院〜小田嶋博先生講演会より〜

@家族のアレルギー患者さんが多いほど、お子さんは「ぜん息」になりやすくなります。
A妊娠中にお母さんがアレルギーの症状があると、生まれてくるお子さんはアレルギーを起こしやすくなります。
B秋や冬に生まれたお子さんの「ぜん息」の頻度が高い傾向にあります。
C妊娠中にお母さんに発熱がみられますと、生まれてくるお子さんはアトピー性皮膚炎になりやすくなります。
D3歳児のお子さんの場合、保育園に預けられているお子さんの方が、お母さんやおばあちゃんが自宅でみているお子さんに比べて「喘息」の発症率が高い傾向にみられます。特に男の子に多くみられます。
E家族に喫煙している方がいると男の子は「ぜん息」になりやすくなります。
F完全母乳栄養のお子さんが、ミルク栄養のお子さんに比べて「ぜん息」の有症率が低い傾向にあります。
Gお母さんが喫煙していますと、お子さんのぜん息の有症率が高くなりますし、生後4か月の赤ちゃんの場合には風邪をとてもひきやすくなります。
H血液検査でアレルギーの要因を示すIgEの値が高いと「ぜん息」はその後に症状の改善はみられません。
I小学校1〜2年の時にアレルギー性鼻炎(花粉症)がありますと、「ぜん息」は治っていくことは難しいと考えられます。
J小学生のアレルギー性鼻炎の多くは「ダニ」が原因です。
K「ぜん息」の症状がない時でも小学生では20%くらいは運動活発性ぜん息があります。つまり普段は「ぜん息」の症状は出ないのですが、運動をすると「ぜん息」の症状の咳が現れるのです。
L「運動トレーニング」をする事で、「ぜん息」の症状は改善します。
M思春期になりますと「ぜん息」のお子さんは呼吸機能が悪化していきます。「ぜん息」は元の正常の状態に戻らなくなっているのです。
N家族の喫煙がありますと、お子さん自身も喫煙をしていく傾向がみられます。
O妊娠しますと「ぜん息」のお母さんは、「ぜん息」が悪化することがあります。(全体の約25%が悪化します)
Pうつ傾向がありますと「ぜん息」と「アレルギー性鼻炎」の有症率が高校生で増えている特徴があります。
   小児ぜん息の診断と治療

〜群馬大学 荒川浩一先生講演会より〜

T乳幼児ぜん息における問題点
@乳幼児の肺と気管支
1)乳幼児はもともと空気の通り道が狭くなってます。
2)呼吸をするための筋力の発達が未熟ですので、気管支を拡げるお薬の効きがよくありません。 
3)脱水におちいりやすい傾向があります。

A慢性肺疾患(BPD)
未熟児の赤ちゃんはBPDになることが多いです。
BPDの急性の喘鳴には短期間のステロイドの飲み薬が効果がありますが、吸入ステロイドによる喘鳴の予防効果はみられません。

B喉頭軟化症
食事や運動の時に咳や喘鳴の症状が強くなりますが、寝ている時に症状が全く出ないのが特徴です。咽頭がまだ未熟なためにおこるのですが、成長とともに症状が消去していきます。
 
C慢性気管支炎
受動喫煙による慢性気管支炎は、受動喫煙から避難できる生活状況になりますと喘鳴がよくなります。


U年長児のぜん息における問題点
@百日咳と咳ぜん息が間違われていることが多くあります。

Aマイコプラズマ感染症後の胃食道逆流症による咳には、胃炎や食道炎のお薬であるガスターがとても良く効きます。

B胃食道逆流症の疑いがある咳とは〜
A)大笑いの後に咳や喘鳴がみられます。
B)一度、咳がはじまるとしばらく持続します。
C)ぜん息のお薬による症状改善の効果があまりありません。

C心因性のぜん息もあり、次のような特徴があります。
A)寝ている時には咳は全く出ません。
B)自閉症の症状として咳が出てくることがあります。
C)知らない人と話をするのが苦手です。
D)学校で友達とコミュニケーションが良く出来ません。
E)自分の感情をうまく表現出来ません。

 
  
      小児のぜん息コントロールの評価と治療法の選択


群馬大学  荒川浩一先生講演会より


@お子さんの「ぜん息」では、軽微な症状がみられないことがぜん息の状態が良好であるといえます。
軽微な症状とは咳やぜん息・運動・大笑い・泣いたとき・起床時に一過性にみられるが、すぐに消失してしまうものを指しています。

A治療目標は
a.症状がコントロールされていることです。
1)β2刺激薬(発作時の頓服薬)の必要がないことです。
2)昼夜を通じて症状が全くでないことです。

b.呼吸機能が正常化していることです。
1)運動したりエアコンの冷たい冷気を吸ってもぜん息発作がみられないことです。

B肥満または肥満症のぜん息のお子さんは
a.吸入ステロイド薬の効果が低下する傾向にあります。
 吸入ステロイド薬の使用初期には効果がみられますが、継続していくと効果がおちてきます。
b.治療はぜん息の治療(吸入ステロイド薬)も必要ですが、まず第一に肥満の治療をすることが重要です。

Cぜん息のお子さんの家族背景に喫煙する方がいますと、お子さんは受動喫煙による慢性気管支炎をおこしてぜん息が続くような症状がでてきます。

D受動喫煙のぜん息のお子さんは、吸入ステロイド薬の効果が低くなってしまいます。

E受動喫煙のぜん息のお子さんは、LTRA(ロイコトリエン拮抗体:キプレス)の内服効果が高くなります。

Fぜん息のお子さんで一番大切なことは、お子さんが受動喫煙にさらされないようにすることです。

G運動するとぜん息の症状が出てくる運動活発性ぜん息(EIA)のお子さんでは、ステロイド薬の吸入と気管支拡張剤の吸入が一緒になっているアドエアなどでEIAの症状を改善してから、ステロイド単独の吸入薬へ変更していくのも効果があります。
      成人ぜん息から見た小児ぜん息


〜小児ぜん息を成人へキャリーオーバーさせないために〜
 国立相模原病院
 〜秋山 一男先生講演会より〜

成人ぜん息のリスクファクター(危険因子)は、次のものがあげられます。

 @アレルギー性鼻炎
 A肥満
 B喫煙
 Cペット
 D女性(特に30〜39才の女性)

成人ぜん息の中でも20才代のぜん息は、小児発症のぜん息が多いですが40才以降のぜん息は、成人になってから初めてぜん息になる人が多い傾向があります。

13才以降発症の小児期発症の成人ぜん息は54%が治りません。特に男性より女性、アレルギー性鼻炎のある人、ペットを飼っている人、肥満の人では顕著にみられますので、注意が必要です。
また、スナック菓子を多く食べる人や、コーヒーや紅茶に砂糖を入れる人に多い傾向があります。

12才以前発症の小児期発症の成人ぜん息は37%が治りませんが、13才以降発症の小児期発症の成人ぜん息の54%に比べると治る確率が高くなります。

小児期発症の成人ぜん息はアトピー型(アトピーというアレルギーの素因をすでに持っているアレルギー)が多い特徴があります。
小児期発症の成人ぜん息は、軽症でアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎の合併が多くみられます。

成人発症の成人ぜん息は重症例が多くみられます。
成人ぜん息は、病院を受診した時に若くて症状の軽い人が治っていきます。
成人ぜん息は、吸入ステロイドの使用開始までの期間が長いとぜん息は改善しにくくなります。
(吸入ステロイドの早期開始は、ぜん息の症状と進行を防げる可能性があるのです。)

成人ぜん息の炎症によって、すでに気管支の壁が肥厚している人では、吸入ステロイドを使用してもぜん息の改善効果はあまりありません。
ですので、ぜん息は吸入ステロイドを早期に開始することが大切なのです。

小児期発症の成人ぜん息は、喫煙をしている人が意外に多く、肺気腫の合併も多くみられます。
成人ぜん息では、禁煙がとても大切です。
      乳幼児ぜん息の長期管理

〜東京都市小児総合医療センター赤澤晃先生講演会より〜

乳幼児のお子さんの「ぜん息」ではいくつかの大切な事があります。

@じゅうたんは止めましょう。
A布団に掃除機をまめにきちんとかけましょう。
Bペットは飼わないようにしましょう。
Cアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎を合併してきますと、ぜん息が起こりやすくなります。
D家族の喫煙は避けた方が良いでしょう。家族の喫煙はお子さんの受動喫煙となり「ぜん息」を発症しやすくなりますので防いだ方が良いでしょう。
E兄弟姉妹が多いお子さんは「ぜん息」は少ない傾向にあります。
Fダニは出来るだけ除去しましょう。「ホコリ」を減らしてダニ対策をすると「ぜん息」には良いでしょう。
Gお子さんの両親が過去に「ぜん息」であった場合や、お子さん自身に医師によって診断されたアトピー性皮膚炎があったりしますと、お子さんが6才になった時点で「ぜん息」になりやすいという特徴がみられます。
H乳幼児の「ぜん息」は平均で12.7%みられていますが、長期にわたってのお薬の治療が望ましいとされている「ぜん息」のお子さんのうち36%しか実際にはお薬が使用されていません。
I乳幼児の「ぜん息」にはステロイドの吸入薬を処方されているお子さんの1/4はあまり実施されていません。
J乳幼児の「ぜん息」は実際に、お薬の治療が必要なお子さんのかなりの割合の方が現実には治療されていません。
       食物アレルギーと気管支喘息 

国立病院機構 相模原病院 海老原元宏先生講演会より

@食物アレルギーのお子さんの「ぜん息」合併率は高い傾向にあります。
A食物アレルギーにみられる赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は、ぜん息発症の危険因子(リスクファクター)となります。
Bぜん息がありますと、食物アレルギーの重症化の危険因子(リスクファクター)となります。
 食物アレルギーによるアナフィラキシーショックで死亡したお子さんには「ぜん息」の合併症が多くみられます。
Cアトピー性皮膚炎の治療をきちんとしておくと皮膚からの食物の侵入を抑えられるので、ぜん息の発作を抑えられる印象があります。
食物アレルギーに合併している「ぜん息」はきちんと治療しておくことが大切です。
D食物アレルギーで「ぜん息」を合併することが多いのは、牛乳アレルギーや卵アレルギー・小麦アレルギーのお子さんですが、この中でも牛乳アレルギーのお子さんの「ぜん息」の合併症が最も高い特徴があります。
E軽い食物アレルギーより重症な食物アレルギーの方が「ぜん息」の合併症が高くなります。
Fアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを合併していてまだ「ぜん息」になっていない1才未満のお子さんは、その後の「ぜん息」の発症率は20%と高く男の子に多くみられます。
G3才のお子さんの「ぜん息」の危険因子(リスクファクター)は、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーになります。
       ぜんそくのステップダウンと治療中止の目安


国立病院機構  三重病院  

 藤澤 隆夫先生 講演会

@ぜんそくは咳・ゼイゼイなどの見かけの症状が改善していても、気管支などの気道の正常化ができていないので治療は続けて必要です。
A吸入ステロイド「アドエア」はぜんそくのコントロールを良くするには「6週間」かかります。
B思春期ぜんそくで吸入ステロイド薬を中止した50%の方は、ぜんそく症状が再燃してきます。
C重症ぜんそくでは、長期間にわたる吸入ステロイド薬の治療が良いことがわかっています。
お子さんが長期間に吸入ステロイド薬を続けて使用すると成人した時に、ぜんそく症状が軽い傾向があります。
子どもの頃にぜんそくが治っても成人になってから再燃することが多いです。
D成人のぜんそくは、子どもの時のぜんそく発症年齢が低いことが多く、重症のぜんそくだったことが多い傾向にあります。
Eぜんそくのお子さんで治療を減らすタイミング(ステップダウン)としては、症状が3ヶ月以上安定したら考えるとよいでしょう。
   小児ぜん息の発症とウィルス感染


〜獨協医大 吉原重美先生 講演会より〜

●0才〜3才の乳幼児はウィルス感染によって「かぜ」を引いてしまうことが多いのですが、これがきっかけで「ぜん息」をおこす事がよくみられます。
「かぜ」をひくと、ウィルスにより気管支の表面が壊れてしまいます。これが繰り返しおこるとぜん息に進んでいきます。

●赤ちゃんのぜん息は症状(ゼイゼイ、ヒューヒュー)が1回でも出たら、できるだけ早くぜん息の治療をしましょう。

●9月〜10月の秋の間だけでも、ぜん息のお薬(オノン)を内服していると、症状の悪化を防ぐことができます。

●夏にしっかりとアドエアーで吸入治療をしておくと、秋にその予防効果が出てぜん息発作を減らすことができます。
調子の良い夏にこそぜん息の治療をすることが大切です。

●ぜん息には次の二つのタイプが見られます。
A)アレルギーが原因でおこるぜん息
   このタイプは「吸入ステロイド薬」が効果的です。
B)ウィルス感染(かぜ)が原因でおこるぜん息
   このタイプのぜん息には「オノン」が効果的です。
   乳児の気管支ぜん息治療の問題点
〜順天堂浦安病院 松原知代先生講演会より〜

@赤ちゃんの「ぜん息」でも、肺の中の気管支(空気が通る道)の
壁が厚くなる「リモデリング」という、変化がすでに見られていますので早期に治療を開始しなければいけません。
厚くなった気管支の壁は元に戻る事があまりないからです。

A鼻みずの多いぜん息のお子さん(学童)は副鼻腔炎(蓄膿症)の合併を考えて、抗生剤(クラバモックス)を6週間内服すると、
ぜん息が改善してくることがわかっています。
鼻汁の多い赤ちゃんのぜん息でも同じような治療も良いのではと推測されます。

B赤ちゃんのぜん息で、感染による「ぜん息発作」を頻回に繰り返す場合は、体を感染から守るために働く「免疫グロブリン」という
タンパク質の一部が欠損していることが多くみられます。
この時にはぜん息の治療だけではなく、欠損している免疫グロブリンの点滴で定期的に補充する治療が必要になります。

C赤ちゃんのぜん息治療をしっかりとしているにもかかわらず繰り返す喘鳴のぜん息があります。
特徴は、
a)ステロイドの内服をしても改善しません。     
b)気管支を拡げる吸入薬をしても喘鳴の改善がよくなりません。
  
※この場合は、GERD(胃食道逆流症)が考えられます。

a)胃から食道に胃の内容物が逆流してしまい、その結果として
気管支が収縮して「ぜん息」がおきるのです。
b)手術治療もしくは、胃炎・食道炎のお薬(ガスター、ガスモチン)での治療が必要です。
※ぜん息のお薬は効きません。

D赤ちゃんのぜん息は、どこから症状が出たかというのは難しいことが多いですので、赤ちゃんにぜん息の可能性がみられたら、
ぜん息の治療を開始して、良くなれば良いのかと考えられます。
   見落としがちなぜんそく発作
最近ぜん息の症状が出ているお子さんが目立ちます。
症状にはいくつかの特徴があります。

@咳や喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)が出ていないのに、聴診器で呼吸音を確認するとぜん息特有の呼吸音がきこえます。
このようなお子さんは、見かけ上の症状(咳や喘鳴)がなくても、体の中ではぜん息発作が続いているので、お薬による治療が必要です。
ぜん息では聴診器による呼吸音のチェックがとても重要です。

そしてこのタイプのおこさんは、激しい運動をすると咳き込んだりしますが、日常生活では何の症状も出ませんので注意が必要です。

年齢の大きなお子さんでは上記のようなことがよくありますので、お子さんもお母さんも「ぜん息」と感じられない傾向にあります。
学校や幼稚園での症状を普段からお子さんや先生に聞いておくことも大切です。


A@とは逆に喘鳴がよくわかる時は、ぜん息発作はかなり重症と考えましょう。早めにクリニックを受診をしましょう。
気をつけないといけないのは、喘鳴はひどいのに、咳があまり出ないお子さんがいます。この場合はさらに重症で、咳を出せないくらいぜん息発作がひどいと考えましょう。

このような時は、気管支を拡げる吸入薬だけでは症状の改善が見られないことが多いので、点滴治療がしばしば必要になります。


B喘鳴は全く見られないのに、咳がひどい、咳き込んで嘔吐してしまうなどのお子さんも「ぜん息」と考えましょう。
このようなケースを「咳ぜん息」といい、近年増えています。
この場合もぜん息のお薬による治療をできるだけ早く開始しましょう。
発作が始まると症状の進行が早い傾向にありますので、咳があまりにもひどかったり、咳き込みによる嘔吐が多い場合は、早めの点滴治療が必要です。


*お子さんのぜん息は「ちょっと」視点を変えると気づくことが多いものです。
{ぜん息かな?」と感じられたら、早めのクリニック受診をおすすめします。


       長期管理薬物療法
〜千葉大学  川野陽一先生 講演会より〜

ステロイド吸入液(パルミコート吸入液やアドエアー)の使用において、低身長や副腎機能の抑制、血圧や脈拍に影響する等の副作用はみられておりません。

アドエアーを使用しているお子さんのぜん息症状が安定している時には、アドエアーからステロイド単独の吸入(フルタイドetc)に変更し、吸入薬の減量をすると良いと考えられています。
この減量は「2年間ぜん息の症状が全くないことを確認」してから考えた方が良いでしょう。

お子さんにぜん息症状がない状態でも、気管支拡張薬の吸入をした後の呼吸機能が改善しているようであれば、
ぜん息はまだ治っていないことになりますので、ステロイドの吸入薬の治療は継続する必要があります。

ステロイドの単独吸入薬を使用していても、ぜん息症状が良くならないお子さんでは、吸入薬をアドエアーに変更する以外に次の治療があげられます。

@他のステロイド吸入薬(アドエアー以外のもの)に変更してみる。
A気管支拡張薬の吸入(セレベント)を追加する。
Bロイコトリエン拮抗薬(オノン・キプレスetc)を追加する。

@ABについては、お子さんによって治療の反応性が異なりますので、
外来で症状をみながら対応していくことが重要です。

お母さん方は、お子さんのぜん息症状をより軽めに判定する傾向があります。
お子さんがぜん息発作で眠れなくても、症状が重いとは思わない傾向があります。
夜間に眠れているか、学校を休まずに行けるかなどが症状の目安になります。

ぜん息の内服薬は保護者の方がきちんと管理しましょう。
お子さんだけにまかせてしまうと飲み忘れが多くなり、ぜん息発作がよくなりません。


ぜん息のお子さんの治療目標は、ぜん息の症状がかるくなり、完全に治ることです。
症状が軽い状態というのは、夜間の睡眠を含めて日常生活に支障がないこと。
そして、発作時の内服薬や吸入薬の必要が全くないことです。

       小児ぜん息治療の「ポイントとコツ」
@乳幼児のぜん息では、ロイコトリエン拮抗薬とステロイド吸入療法が同等の効果があります。

A15才以下の児のぜん息では、「低用量」(少ない量)のステロイド吸入療法で80%程度に効果があります。

B*タバコの煙があるお家や*ダニがたくさんいるお家では、まずこれらの環境を改善してぜん息の治療をしましょう。
  *の環境にいるお子さんとそうではないお子さんでは、同じ治療を行うことは出来ません。
  *の環境にいるお子さんの治療のほうがより難しくなります。

C難治性のぜん息では、別の原因が隠れていることがあります。
   1)ステロイド吸入薬が上手に吸えていない時。 吸入するときは、「ゆっくり」と「しっかり」吸うことが大切です。
   
2)ぜん息ではなく、結核などの細菌感染や副鼻腔炎(ちくのう症)が隠れていることがあるので、検査が必要なことがあります。この場合、咳の原因はぜん息ではないので、それぞれの病気の治療が必要です。
        「ぜん息」との上手なつきあい方  

@ヒューヒュー・ゼイゼイする呼吸音が聞こえたり、お子さんが呼吸困難を訴える、いわゆる「典型的なぜん息発作」は、お母さん方はすぐに気づかれることが多いのですが、咳がひどい・咳き込む・咳き込んで嘔吐してしまう・夜間、咳がひどくて眠れない・朝方や夜間は咳がひどいが、日中はあまり出ない、というような「ぜん息発作」は、気づかれることが案外少ない傾向にあります。

A上記のような「気づかれにくい症状」があれば、「ぜん息」を考えて、治療をした方がよいでしょう。ぜん息の素因がないお子さんは、このような症状は全く出ないからです。

B「ぜん息かな?」と思ったら、病院で診察を受け、治療してみることが大切です。早期発見・早期治療すれば、軽症なら2週間程度のお薬で、症状はよくなります。

C始めのうちは、短期の2週間治療でもよいので、まず症状を治すことが大切です。繰り返しますが、ぜん息の素因のないお子さんでは、特別な咳の症状は出ません。

D「咳」の症状を、「気管支炎」と「ぜん息」で、どう区別するのかというのは、専門家でも難しいことがあります。「気管支炎」は、咳が少しひどい程度で「痰がからむ」のが特徴で、@のような症状は出ません。ただし、「ぜん息」のお子さんが、何らかの感染(細菌感染やウイルス感染)で「気管支炎」をおこすと、「ぜん息」の症状は、一気に悪化します。
 「気管支炎」は、「ぜん息」のお子さん以外でも普通にみられます。「ぜん息」の咳は、発作が重いと「痰のからまない乾いた咳」となるのが特徴です。

E「ぜん息」には、発作が出やすい季節があります。主に、「梅雨」と「秋」の季節の変わり目に多くみられます。また、お天気の影響を受けやすい「ぜん息」のお子さんは意外と多く、雨や気温の急激な低下がみられる前に、咳が始まることがよくあります。「気管支炎」では、このような季節の影響を受けることは特になく、一年中みられます。

F「ぜん息」の治療のお薬は、とてもよいものが沢山あります。お薬にも「相性」がありますので、Aのお薬があまり効かなくても、Bのお薬が効くことがあります。まず、お薬による治療を始めてみることが重要です。
 1回の治療が2週間前後で「ぜん息」の症状がなくなった場合でも、この2週間の治療が月に1回〜年に6回と回数が多い場合は、「ぜん息」の発作が長期間続いていることになりますので、「ぜん息」の治療は長期に必要になります。「ぜん息」は、気管支や肺の中の慢性の火事のようなものですから、「ぼや」が何回も続く時は、火事が消えていないことになります。火事は消さなければ、火事の焼け跡が残ってしまって、気管支や肺がダメージを受けていくのです。お子さんのうちに「ぜん息」は治しましょう。

G定期的に「ぜん息」のお薬を使われているお子さんは、発作はあまり出ずにすみます。症状がない時の治療こそが、「ぜん息」には、実は最も有効な治療法なのです。

        肺機能検査によるぜん息の評価

小児のぜん息は、肺機能検査による評価が大切です。

ぜん息のお子さんは、症状がない時に、本当にぜん息がよくなっているか、診察だけでは判定ができません。特に6才以上のぜん息のお子さんは、慎重な評価が必要です。ぜん息の呼吸機能を検査することで、お子さんの真のぜん息の状態が把握できるのです。

例えば、

@以前にぜん息発作があったが、現在は発作が全くみられず、お薬も使用していないお子さんを肺機能検査で見ると、

A・「肺にぜん息の状態がまだ残っている(呼吸障害がまだある)」のか、

B・「本当にぜん息の状態が消えて、正常の肺になっている(呼吸障害がない)」のかが、区別できるのです。

検査は簡単ですので、客観的な判断ができます。
もし、呼吸障害の検査結果が出た時には、年に3回程度の肺機能検査をして、経過を見ていく必要があります。

Aぜん息でお薬を使われているお子さんが、症状がない時に肺機能検査をすると、

 A・肺機能で呼吸障害がみられる場合には、肺機能がよくなるまで治療が必要になります。

 B・肺機能で呼吸障害がみられない場合には、治療の効果が十分出ていますので、このまま継続して治療を続ければよいことになります。
   この場合に、ぜん息発作がおきている時に肺機能検査をすると、呼吸器障害が一時的にみられますが、ぜん息発作がよくなると、呼吸器障害は改善して正常化しますので、症状の具体的な評価にも役立ちます。

B隠れているぜん息のお子さんの早期発見にも有効です。

例えば
・ぜん息発作はおこしていないが、運動したり走ると咳が出る
・タバコの煙を吸うと咳が出る
・アイスクリームなどの冷たいものを食べると咳が出る

などは、隠れたぜん息発作ですので、このような6才以上のお子さんは、肺機能検査をして、ぜん息の呼吸器障害がないかどうかの判断ができます。
運動をして咳が出る運動誘発性ぜん息のお子さんは、意識的に自分で運動を控えることが多いので、早期に発見して、日常生活を正常に戻してあげることもできるのです。

C肺機能検査をみることで、お子さんやお母様方が正確にぜん息の状態を把握できますので、ぜん息治療の必要性と目標を立てることが明確にできます。

D肺機能検査をみることで、重症のぜん息の見落としがなくなり、結果としてお子さんの日常生活の改善につながります。

E長期にわたってお薬を使用しているぜん息のお子さんで、肺機能検査をみることで、お薬の中止が治癒になったとは言えないということが、はっきりわかります。見かけ上のぜん息の状態と、実際のぜん息の状態には差があるということは重要な点です。

  

喘息(ぜんそく)
ぜんそく発作・・・このような兆候があったときは注意しましょう。

「ぜんそく」という病気は…
「ぜんそく」という病気は主に二つの経過に分かれます。
まず第一は、ぜんそく発作といって空気の通り道で
ある気管支が狭くなり、空気が出入りしにくくなり、
呼吸がしづらくなる症状があります。
発作のときには…
発作のときには気管支が狭くなることで吸い込んだ空気を充分に吐くことが
できないためにゼイゼイ、ヒューヒューという音がしたり、胸の肋骨や鎖骨の
上やのどのところがへこんで呼吸をずる陥没呼吸をしたり、激しい咳に
なったり、咳込んで嘔吐したり、咳がひどく眠れない状態になったり、
機嫌が悪くなったり、肩に力をいれて呼吸をする努力性呼吸になったりします。

気道の断面

咳が夜間に…
咳が夜間や早朝にひどくなったりするのに
昼間は咳はあまり出ないで上記のような症状(ゼイゼイ、
ヒューヒューなど)みられないものを咳ぜんそくといいます。
これもぜんそくの中に含まれます。
発作のときには…
発作のときには気管支をひろげるお薬(β2刺激薬)を使う事が必要ですが、最も症状の改善が早いのはβ2刺激薬の吸入をすることです。
これはクリニックにありますので、来院していただければ早く呼吸を楽にする事が出来ます。呼吸が楽になったら、その後からぜんそくのお薬の開始が必要になります。
ぜんそくのお子さんでは、β2吸入剤の早めの使用が大切です。咳の出始めの時から気管支を拡げるβ2吸入剤の吸入をするとよく効きます。クリニックでこのお薬を用いての吸入治療をするのが一番良いのですが、すぐに来院できない夜中や旅行先では携帯用のβ2吸入剤がありますので常備しておくとよいでしょう。咳が出始めて「ぜんそくの始まりかな?」と予感がしたら、すぐに吸入を開始するのがベストです。
主に用いられるのは…
主に用いられるのは、β2刺激薬(気管支を広げるお薬)のテープをお子さんの背中に貼ることが簡単な治療でず。これに加えてロイコトリエン拮抗薬を内服するのが良いでしょう。はじめの症状が重ければ最初から気管支の炎症をおさえて、気管支の炎症の改善をはかるステロイド吸入薬を使用しても良いでしよう。近年はステロイドの吸入薬を早期に開始することでぜんそくの悪化を防ぐことが出来る事が分かっています。
乳児ぜんそくの特徴
乳児ぜんそくには特徴があります。

@2才未満でぜんそく発作が初めて起こります。

Aアトピー性皮膚炎・食物アレルギーを合併することがあります。

B家族にアレルギー(ぜんそく)が見られます。

C血液検査で「ダニ」にアレルギーが見られます。

D血液検査で「好酸球」という検査数値が高くなっています。

E治療すると改善しますが、早期に治療が中止されてしまうケースがあり、
 本来必要な治療が継続されないことがしばしば見られます。
 
 大切なのは、継続的な治療を、早期に開始することです。
5才以上のぜんそくの…
5才以上のぜんそくのお子さんの場合には、β2刺激薬(気管支を広げるお薬)の吸入タイプもあります。ぜんそく症状が重い時には、ステロイドの吸入薬で気管支の炎症をおさえて、さらにβ2刺激薬の吸入薬で狭くなった気管支をひろげるお薬が別々に必要でしたが、最近この両者をひとつの吸入器にまとめたものが使用できるようになりました。
ステロイドの
ステロイドの吸入薬とβ2刺激薬の吸入を別々に吸入するよりも、ひとつの吸入器で合剤になった新しい吸入薬のほうがより一層ぜんそくの症状改善に早期に効果がでるということがわかってきました。
今後はこの合剤がぜんそく治療の主流になってくるものと思われます。
第二はぜんそく発作が…
第二はぜんそく発作が落ち着いてきたときに何が必要かということになります。
軽症であれば2週間程度のぜんそくの炎症をおさえる抗ロイコトリエン拮抗薬と気管支をひろげるβ2刺激薬のテープなどで大丈夫ですが、発作を何度も繰り返すお子さんやぜんそく発作で点滴治療が必要だったお子さん、ぜんそくでの入院のエピソードがあったお子さんでは少し長期にお薬が必要になります。具体的には上記の治療にステロイドの吸入薬が追加となります。
ぜんそくは発作の症状…
ぜんそくは発作の症状がない状態でも、肺の中の気管支では慢性の炎症が継続して起こっている事が多いので、この炎症をおさえて気管支を正常化するために主に効果があるのが吸入ステロイド薬です。
少しだけ治療してぜんそく発作が起き、再び少しだけ治療してぜんそく発作が起きるという状況を繰り返していきますと、気管支の慢性の炎症が進行して気管支の壁が厚くなり、治りにくい状態となります。
ですから
ですからぜんそくのお子さんで発作が小さくても発作の回数が多い方では
症状がない時でもぜんそくの治療が必要になるわけでず。
ぜんそく発作が吸入薬や…
ぜんそく発作が吸入薬や飲み薬でも改善しない場合は
ステロイドと抗生剤の入った点滴治療が一時的に必要
となります。
吸入ステロイドはあくまで気管支の炎症をおさえるもので
すので、ステロイドの内服と違って、全身の副作用の心配はありません。ステロイドの吸入をしていても、身長が伸びないといった成長障害がおこることはこれまでの研究でも問題がないことが証明されています。

ぜんそくの治療をしていても発作が多い時には必ず原困があります。

@感染症がある場合
前述したとおりですが、溶連菌感染症やインフルエンザの感染やマイコプラズマの感染を合併している時にはこれらの病気の治療を同時に必要とします。発作が多い時にはこれらの感染症の合併がないか考えましょう。

A慢性副鼻腔炎(ちくのう症)がある場合
ちくのう症があるとぜんそく発作はよくなりません。
ちくのう症合併例ではちくのう症の治療をすると劇的にぜんそく発作がよくなります。
ぜんそくのお子さんは鼻の病気の合併症が多いので注意が必要です。
いびきをかくとか鼻がよく出ているケースは、ちくのう症の合併がないか考えましょう。

B胃食道逆流症(GERD)がある場合
口から食べた食物は食道を通って胃に到達します。
この流れは一方通行になっているのが普通のお子さんなのですが、まれにこの一方通行がうまくいかず、胃に入った食物が食道を通り、逆流して気管支に入り込んでぜんそくのような咳になることがあります。
このケースでは、胃食道逆流症の治療をしないと咳は改善しませんし、ぜんそくの治療は効きません。

Cストレスがある場合
ぜんそくの治療をしていて、感染症もちくのう症もなく、胃食道逆流症もない場合は、お子さんに何らかのストレスがかかっているのが原因のケースに考えられます。
本人が嫌がっていることがないか確認が必要です。
あるぜんそくの女の子は小学6年生でしたが、ぜんそくが良くならないと言って来院されました。ぜんそくの治療を開始して合併症の確認をしても原因は見当たらず、ぜんそくが良くなりません。
ある時、女の子と私だけで二人で話をしてみました。するとその女の子はピアノの習い事をしているのがとても嫌だけれども、お母さんに言えないと訴えました。というわけで、お母さんにその内容を伝え、ピアノの習い事を止めてもらうと途端にぜんそくの症状は消えました。
もちろんぜんそくのお薬も必要なくなりました。年齢の大きな小学生ではストレスに関する治療も必要です。

Dアレルギー性鼻炎がある場合
ぜんそくのお子さんにはアレルギー性鼻炎の合併が多くみられます。
お母さん方は「この子は鼻水が出始めるとぜんそくがでるわ」とよく言われます。
ぜんそくのお子さんは鼻炎の症状が先に出て後からぜんそくが出ることが多いのです。
アレルギー性鼻炎がある場合はアレルギー性鼻炎の治療を同時にするとぜんそくがよくなります。

Eアトピー咳嗽
ぜんそくの症状によく似ていますが、ぜんそくのお薬は全く効きません。
ぜんそくには使用されないアレルギーのお薬が著効します。

Fお天気
ぜんそくのお子さんはお天気の変化に敏感です。台風、梅雨、低気圧、雨、急激な温度変化、雷などがおこるとぜんそくの症状は悪化します。
年間では春と秋にぜんそく症状が多くみられます。

Gお疲れ
寝不足、お疲れ(お出かけ、旅行、車での長時間の移動)などがあるとぜんそく発作がおきます。
子供も大人と一緒でお疲れは禁物です。移動が長い時にはまめに休憩をとりましょう。無理なスケジュールは避けましょう。

H運動
運動するとぜんそくが出るお子さんがいます。運動誘発性ぜんそくといって、運動すると肺と気管支に負担をかけぜんそく症状が出るものです。
ぜんそくの治療をしていても運動で発作が出る場合は一時的に運動を軽めに制限しないといけないケースがあります。
多くは年長児に見られます。

I喫煙
家族の方の喫煙はぜんそくの原因となります。
お子さんの近くと過ごされる部屋での喫煙はさけましょう。

Jけむり
香水や花火のけむり、線香のけむりも発作をおこすことがあるのでさけましょう。

Kダニ対策
ソファーやカーテン、たたみやじゅうたんは、掃除機でダニを吸い出しましょう。ダニ対策のためにはふとんも、まめに日光にあてて干しましょう。

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