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   インフルエンザの最新情報
インフルエンザの最新情報
東北大学微生物学分野  押谷 仁先生講演会

@ほとんどの人はインフルエンザの「H1N1」や「H3N2」に過去に感染したことがあり、基礎免疫をもっていますので、インフルエンザワクチンは成人は1回接種のみでOKです。ところが、お子さんは基礎免疫をもっていませんのでインフルエンザワクチンが2回接種が必要になります。

A本来、「鳥」や「豚」で感染しているインフルエンザウイルスが「人」に入ってきますとこれが「新型インフルエンザ」になります。本来インフルエンザウイルスは鳥は鳥同士で感染して、豚は豚同士で感染して、人は人同士で流行しているものです。

Bアメリカでは生後6ヶ月以上のお子さんにインフルエンザワクチンを接種することを推奨しています。

Cインフルエンザワクチンの有効率は
 お子さんでは 50〜60%
 成人では   50〜60%
 高齢者では  30〜40%
です。ただし、13〜15才の年令層のお子さんはインフルエンザワクチンの有効性が低い傾向があります。

D高齢者ではインフルエンザワクチンの有効率は低い傾向にありますが、呼吸器症状、肺炎、入院、死亡などの重症化を防ぐ効果が大きいのです。

E新しい四価のワクチンはA(H1N1)(A(H1N1)pdm09)+A(H3N2)+B(ビクトリア)+B(ヤマガタ)とB型が2種類になったのが特徴です。

F抗インフルエンザウイルス薬は早期に投与されますと有熱期間が1日短縮されるという根拠があります。

G抗インフルエンザウイルス薬はある程度、インフルエンザの重症化を防ぐことが出来ます。

Hインフルエンザ生ワクチン(フルビル)は小児に対して有効性が認められています。


   インフルエンザ対策の問題点                                         −ワクチン、診断、治療−
インフルエンザ対策の問題点
−ワクチン、診断、治療−
神奈川県警友会けいゆう病院 小児科 菅谷 憲夫先生講演会

@乳児と13〜15才の群でワクチン効果があまり認められていません。
1才〜12才の群ではワクチン効果が良く認められています。

A2016年の2〜3月頃にはA型とB型のインフルエンザワクチン効果がかなり下がります。
インフルエンザワクチンは接種後半年も効いていません。

Bインフルエンザワクチンは、小児では入院防止効果がみられるので積極的に接種しましょう。

CインフルエンザワクチンA型には高い入院防止効果があります。

Dフルミスト(インフルエンザ生ワクチン)はインフルエンザのH1N1/09には
効果がありませんでした。
2014〜2015年で、フルミストは不活化ワクチン(インフルエンザワクチン)に比較して変異したA香港型インフルエンザに対する効果が高い証拠は得られていません。

Eインフルエンザが証明された患者さんだけでみますと、タミフル治療群では
タミフルを使用していない未治療のプラセボ群に比べて、
 A)羅病期間が21%短縮されました。
 B)下気通感染(肺炎など)の合併が44%少ない傾向にありました。
 C)入院も63%少ない傾向にありました。

F2015〜2016年の今年はB型主体の流行がみられるでしょう。
また、3〜4割はA香港型が流行するでしょう。

GインフルエンザB型の羅患歴のない小児では新しい四価のインフルエンザワクチンが有効でしょう。

H小児では、B型はA型と同じように重く、死亡者も出ます。

I成人も高齢者もB型には新しい四価のインフルエンザワクチンが50%と有効率が高いので、
インフルエンザワクチンの接種をするべきでしょう。


   思春期のニキビ診療とスキンケア
思春期のニキビ診療とスキンケア
神奈川県立こども医療センター皮膚科  馬場 直子先生講演会

@ニキビがあることはQOLが低下します
1)友人からいじめられることがあります。
2)瘢痕を残すことがあります。
3)ケロイドを作ることがあります。

Aニキビは男女とも13才くらいが平均発症年令です
小学生の女の子は60%くらいがニキビができています。

Bニキビは顔の洗い方が大切です
1)顔を洗いすぎるとニキビは悪化しますのでていねいに洗いましょう。特に、ニキビの多い「額」や「頬」はていねいに優しく洗いましょう。
2)固形石鹸を泡立ててそれをネットでさらに泡立ててから「眉間」や「頬」や「口周り」を指を使ってていねいに正しく洗いましょう。
3)ニキビでは、洗顔した後に皮膚に水分を補いたいので、パスタロンローション(0/W型)をぬって保湿しておくことが大切です。

Cニキビの治療
1)洗顔した後に「アダパレン(ディフェリン)」の外用薬をぬるのが良いでしょう。
2)抗菌薬(ダラシンTゲル)の外用薬もぬることも良いでしょう。
3)抗菌薬(ミノマイシン)の内服も効果があります。
4)ニキビでは、ビタミン薬の内服はEBM(医学的根拠)がありませんので推奨はしません。
5)ニキビでは、食事制限は原則としては必要ありません。例えば、チョコレートを食べてもニキビが悪化しないのであればチョコレートは食べても良いのです。
6)ニキビの外用薬をぬった上からUVカットの外用(日焼け止め)をぬっておきますと、ニキビにおけるUVによる毛嚢炎を予防出来ます。また、UVカットの外用はおちにくくなっていますので洗顔時はしっかりと洗いおとすことが大切です。
7)ニキビの悪化因子を防ぎましょう
・睡眠不足
・ストレス
・間食
・食事の不摂正
・汗

     早期乳児が有する問題点
新生児や6ヶ月未満に乳児診察時ピットフォール
君津市中央病院 新生児科 大曽根 義輝先生講演会

@消化器症状
 1)哺乳不良、嘔吐で.・・・・
  A>哺乳不良、嘔吐 + 腹満の時には〜
    便秘が一番多い傾向にあります。
    この場合は、浣腸をして排便して問題ありません。
    毎日浣腸をして排便させて排便のリズムを作る方が大切ですので浣腸は毎日されても問題はありません。

  B>哺乳不良、嘔吐 + 様々な症状(血便、発熱)
    ミルクアレルギーの可能性があります。
    検査が必要です。
 2)体重増加不良
   A>意外に多いのが母乳不足です。
    1回の母乳の授乳で15分飲んで満足していれば充分足りていますが、15分以上飲んでいる時は足りていないと考えましょう。
   B>養育過誤の場合もあります。これはミルクを薄めて与えている場合です。

A感染症
 1)熱発
  新生児期は熟産生能が乏しいので本来は発熱しにくくなっています。
  外環境温の影響を強く受けやすいので「うつ熱」の発熱あります。
 2)早産児では免疫グロブリンの血清TgGが正常児に比べてかなり低下していますので感染症にかかりますと重症化しやすくなります。
  このため、予防接種は月齢に合わせて早目に受けるのが良いでしょう。

B乳児と薬剤
 1)抗ヒスタミン剤
  乳児早期では振戦(手足の震え)を起こすことがありますので注意が必要です。
 2)抗けいれん薬(フェノバール)
  ビタミンK不足を起こして頭蓋内出血を起こすことがあるので注意が必要です。

C完全母乳栄養の赤ちゃんで、生後7〜8ヶ月に母乳しか飲んでいなくて離乳食を食べていない場合には貧血をおこすことが多いので注意が必要です。

     ノロウイルスによる感染性胃腸炎について
ノロウイルスによる感染性胃腸炎について

@ノロウイルスによる感染性胃腸炎とは
・嘔吐、下痢を主症状とし、その結果様々の脱水、電解質喪失症状、全身症状が加わります。1歳以下の乳児は症状の進行が早いのが特徴です。

A感染経路
・ノロウイルスが大量に含まれる患者のふん便や嘔吐物から人の手を介して感染します。
・ノロウイルス感染者が取り扱ったためにノロウイルスに汚染された食品を食べて感染します。
・ノロウイルスに汚染された二枚貝を生あるいは十分に加熱しないで食べて感染します。
・ノロウイルスに汚染された井戸水などを飲んで感染します。

B症状等
・潜伏期間 24〜48時間
・主症状 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱
・症状が1〜2日続いた後、治癒し後遺症もありません。
・感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状もあります。
・高齢者や乳幼児では重症となることがあります。

C治療
・ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。
・脱水症状がひどい場合には、点滴を行うなどの対症療法が行なわれます。
・症状がなくなったあとも、1から2週間ほど便中に排出されるため、二次感染に注意が必要です。

     感染性胃腸炎警報が発令されました!
感染症発生動向調査において、平成25年第50週(12月9日〜12月15日)の県内の患者報告数が国の定める基準値(20)を越えました。
第50週の感染性胃腸炎の患者数は、過去10年で平成18年、24年に次いで3番目に高い水準となっており、学校、保育所、社会福祉施設などにおける集団発生も多数報告されています。
感染を予防するには、日頃から手洗い・うがいを徹底し、嘔吐物やふん便を処理する時は、使い捨てのビニール手袋やマスクを用い、汚れた床・用具などは適性な濃度の塩素系消毒剤(塩素系漂白剤でも可)で消毒しましょう。
潜伏期間が24時間〜48時間と短いので症状の変化に注意が必要です。

「[怠けもの]と呼ばないで                                   現代の子どもを襲う起立性調節障害(OD)」
「[怠けもの]と呼ばないで
現代の子どもを襲う起立性調節障害(OD)」
大阪医科大学 田中英高先生 講演会

@起立性調節障害(OD)のお子さんは約8割に心理社会ストレス(学級ストレスと家庭ストレス)があります。
A起立性調節障害(OD)のお子さんは思春期の5〜10%で中学生に多くみられます。小さい時には聞き分けのよいお子さんだったのに、どうなってしまったのでしょう?とお母さんが感じることがよくあります。
B起立性調節障害(OD)のお子さんは朝起きられないのに夕方は元気です。また、普段朝起きられないのに楽しい行事がある日は朝早起きが出来ます。
C起立性調節障害(OD)のお子さんは立ち上がる時には、頭を下げると楽です。
D起立性調節障害(OD)
 1)食事では塩分を1日10〜12g/日を目安にとりましょう。ODのお子さんは、塩分摂取量が普段から少ないのでやや多めに塩分をとりましょう。
 2)水分は最低1.5リットルは必要です。ODのお子さんは普段から水分接種量が少ない傾向にあるからです。
 3)1日15分の散歩をしましょう。ODのお子さんは下腿(かたい)を触りますとふにゃふにゃの状態が多いので普段から散歩して運動しましょう。
EODの内服薬が効きにくい時には複数の薬物を組み合わせると良いでしょう。
例えば
 1)メトリジン(1錠2r)を起床時1-2錠、
   夕食後(もしくは就寝前)1錠
        +
   ジヒデルゴット(1錠1r)を起床時1錠、
   昼食後1錠
   もしくは
 2)メトリジン(1錠2r)を起床時1-2錠、
   夕食後(もしくは就寝前)1錠
        +
   インデラル(1錠10r)を起床時1-2錠、
   などの組み合わせです。
 3)夜尿症のお薬(ミニリンメルト)が効く場合が海外で報告されています。
F両親が納得してお子さんにガミガミ言われなければ高校2年生の秋頃にはほとんどのODのお子さんは症状が良くなります。

抗インフルエンザと                                       インフルエンザワクチンの課題H7N9に備えて
「抗インフルエンザとインフルエンザワクチンの課題H7N9に備えて」
神奈川警友会 けいゆう病院小児科 菅谷憲夫先生講演会

@発病防止からみたインフルエンザワクチンの効果はインフルエンザA型では1〜6才ですと52%、6ヶ月〜1才ですと80%です。
AA香港型のインフルエンザに対してはインフルエンザワクチンは効果が低い傾向にあります。健康成人ですと40〜50%、高齢者の発病防止効果は11%とさらに低くなります。
Bインフルエンザワクチンは65才以上の高齢者ではA香港型インフルエンザに対してはほとんど効果がありませんがB型インフルエンザには高い効果があります。
C「健康な高齢者」にインフルエンザを接種しますと重症化や死亡率が低下していますが、高齢者全体にこの傾向がみられるわけではありません。
Dインフルエンザワクチンの学童集団接種の時期はこのおかげで高齢者の死亡率が下がっていました。これは「indirect protection」という予防効果です。
Eインフルエンザワクチンの学童集団接種を止めてから1〜4才児のインフルエンザでの死亡率が増えました。
(インフルエンザの脳炎や脳症が増えました)
これは、学童集団接種が幼児のインフルエンザの死亡や脳炎や脳症を抑えていたことになります。これも「indirect protection」という予防効果です。
F学童集団接種の時期は、インフルエンザによる学級閉鎖日数と欠席率も抑えて抑止力がありました。これを「direct protection」という予防効果です。
Gアメリカは学童集団接種の方向に向かっています。
H現行のインフルエンザワクチンは卵の中で培養されて作られていますが、卵の中でインフルエンザウイルスの変異がおきていまいますので出来上がったワクチンの効果が下がってしまいます。インフルエンザ効果の低下がある現状で高齢者をインフルエンザで助けるには予防投与しかありません。もし、病院の病室内でインフルエンザの患者さんがでましたら個室に隔離することと同時に同じ病室にいた患者さんにはタミフルかリレンザの予防投与を同時に開始するのが最も良い対応策となります。
IH7N9の出現
1)このタイプのインフルエンザウイルスは致死率が33%と重症です。
2)まれですが、感染しますとほぼ重症化します。
3)脳炎をおこしやすく、パンデミックをおこしやすい特徴があります。
4)弱毒ウイルスなので鳥に感染しても症状は出ません。
5)耐性ウイルスにはT-705(Favipiravir)が効きます。
  ただし、T-705は妊娠している女性には使えませんし、妊娠している女性の夫にも使えません。
J抗インフルエンザ薬
1)B型には吸入タイプのものがよく効きます。
2)A香港型インフルエンザにはタミフルがイナビルより解熱時間が短い傾向があります。
3)入院している患者さんにはタミフルの内服がラピアクタの点滴が良いでしょう。
4)ラピアクタの点滴は早期に使いませんと効果が出ませんので発熱後48時間以内が良いでしょう。
5)ラピアクタの点滴は投与24時間後には薬剤濃度がほとんど無くなりますので、インフルエンザの重症例では1回目の投与から24時間後に2回目の再投与をしても良いですし、さらに解熱するまで連日投与してもよいでしょう。

 皮膚の学校感染症について・・・
皮膚の学校感染症について・・・プールに入ってもいいの?

1)伝染性膿痂疹(とびひ)
かきむしったところの滲出液、水疱内容などで次々にうつります。プールの水ではうつりませんが、触れることで症状を悪化させたり、ほかの人にうつす恐れがありますので、プールや水泳は治るまで禁止して下さい。

2)伝染性軟属腫(みずいぼ)
プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。

3)頭虱(あたまじらみ)
アタマジラミが感染しても、治療を始めればプールに入っても構いません。ただし、タオル、ヘアブラシ、水泳帽などの貸し借りはやめましょう。

4)疥癬(かいせん)
肌と肌の接触でうつります。ごくまれに衣類、寝床、タオルなどを介してうつることがありますが、プールの水ではうつることはありませんので、治療を始めればプールに入っても構いません。ただし、角化型疥癬の場合は、通常の疥癬と比べ非常に感染力が強いので、外出自体を控える必要があります。

平成25年5月
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会

 皮膚の学校感染症についてA
保育園・幼稚園・学校へ行ってもよいか?休まなければならないか?

1)手足口病
手足の水ぶくれが消えて、口内炎が治っても、便の中には原因のウイルスが長い間出てきます。トイレで用を済ませた後は手洗いをきちんとしましょう。口内の発疹で食事がとりにくい、発熱、体がだるい、下痢、頭痛などの症状がなければ、学校を休む必要はありません。

2)伝染性紅斑(りんご病)
顔が赤くなり、腕や膝、体に発疹が出たときには、すでにうつる力が弱まっていることから、発熱、関節痛などの症状がなく、本人が元気であれば、学校わ休む必要はありません。また、いったん消えた発疹は日光に当たったり、興奮したり、入浴後などに再び出てくることがありますが、これらは再発ではあろませんので心配いりません。

3)頭虱(あたまじらみ)
互いに触れ合って遊ぶ機会の多い幼児・小児には最近ではよく発生します。発生した場合はその周辺がみんな一斉に治療を始めることが大切です。頭虱は決して不潔だから感染したのではありません。頭虱だからと差別扱いしてはいけません。学校を休む必要はありませんが、できるだけ早く治療を受けて下さい。

4)伝染性水属腫(みずいぼ)
幼児・小児によく生じ、放っておいても自然に治ることもありますが、それまでには長期間を要するため、周囲の小児に感染することを考慮して治療します。プールなどの肌の触れ合う場ではタオルや水着、ビート板や浮輪の共用を控えるなどの配慮が必要です。この疾患のために、学校を休む必要はありません。

5)伝染性膿痂疹(とびひ)
水ぶくれや糜爛(びらん)からの浸出液を触ったり、引っ掻いたりすると、中の細菌で次々にうつります。特に鼻の入り口には原因の細菌が沢山いるので鼻をいじらないようにしましょう。病変が広範囲の場合や全身症状のある場合は学校を休んでの治療を必要とすることがありますが、病変部を外用処置して、きちんと覆ってあれば、学校を休む必要はありません。

平成22年7月
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会・日本小児感染症学会

 嘔吐と下痢と腹痛と漢方薬治療

(五苓散による注腸治療)

@嘔吐・下痢・腹痛を訴える胃腸炎がとても流行しています。

Aこのような症状の時に五苓散という漢方薬をお湯に溶かしてお尻から注腸して入れてあげますと、症状がとても早く改善します。

B五苓散は本来は胃腸炎の飲み薬として、よく使われますが胃腸炎の症状が強い時にはお尻から注腸して入れてあげますと、内服よりもより速く症状が改善します。

C五苓散の注腸が最も良く効くのは嘔吐です。早ければ注腸して15分後には嘔吐はなくなっています。

D五苓散の注腸は胃腸炎に伴う、食欲不振や吐き気・元気のない症状とか顔色不良の症状にもすみやかに改善しますので、お子さんもとても薬な状態になります。

E五苓散の注腸はお子さんの胃腸炎による脱水を初期の段階で予防できることが多いのです。

F五苓散の注腸を下痢をしているお子さんにしますと、下痢が止まります。
注腸したのにもかかわらず注腸後に下痢が増えることもありませんし、下痢をして注腸した五苓散がお尻から出てくることもないのです。

G五苓散は胃腸炎によるお腹の中の水回りのエラーを改善する作用がありますので、内服に比べて注腸でより速く腸の中に入れてあげることで症状がとても良くなるものと考えられます。

H五苓散が胃腸炎の時の点滴の代わりや補助になることは充分ありうるでしょう。

 知って得する抗ヒスタミン薬の豆知識
知って得する抗ヒスタミン薬の豆知識

NTT東日本関東病院 五十嵐敦之先生講演会


@第二世代の抗ヒスタミン薬は個人差がかなりあります。

Aこのため効果が不十分の時には、抗ヒスタミン剤を二剤に併用するよりも、同じ抗ヒスタミン剤の単独の増量の方が良いことがあります。
例えば一日一回一錠のものは、一日一回二錠に増量することで血中濃度が上がり効果が出ます。

B自動車の運転制限がないのは、アレグラ・クラリチンです。

Cザジテン・ジルテック(ザイザル)・クラリチンは痙攣の報告があります。

Dアレロック・アレジオン・セルテクトは幼児に使える痙攣のない、抗ヒスタミン薬です。

Eジルテック・クラリチンは妊婦さんの「蕁麻疹」に使えます。

Fクラリチン・アレグラは授乳しているお母さんにも使えます。

G高齢者にはアレグラ・アレジオンが使える抗ヒスタミン薬です。

H呼吸が最も速いのは、アレロック・ザイザルです。

I腎不全の患者さんには、アレグラ次いでアレジオン・エバステルが使えます。

Jエバステルは頓服として使用するのは不適切です。
エバステルは、かゆい時だけ頓服で内服しても効果がありません。

 〜じんま疹の考え方〜
〜東京大学 佐藤伸一先生講演会より〜

「慢性じんま疹」

@原因不明が72%あります。
A誘発因子としては
 1)ストレスの多い生活環境は慢性じんま疹を起こしてしまいます。
 2)年齢が下がると上気直感染(カゼ)が増えて急性じんま疹を発症しますが、ヘリコバクターピロリ菌に感染してますと慢性じんま疹につながる可能性があります。感染とじんま疹は関連がみられます。
 3)血液検査自己抗体の一つである甲状腺抗体が陽性のじんま疹の12〜33%でみられます。血液検査で白血球が低下していますと「SLE]の可能性があります。
 4)薬剤で起こることがあります。血液検査で好酸球が増加していますと薬剤性のことがあります。
B発症年齢が35歳以上であったり、じんま疹の罹病期間が1年以上の慢性じんま疹は予後が良くない傾向になります。罹病期間がながくなればなるほど治るのに時間がかかります。
C標準の治療で6ヶ月〜1年で40〜50%は治ります。2年で60%が治ります。
D治療は第2世代の新しい抗ヒスタミン剤が適切です。第1世代の古い抗ヒスタミン剤は使用しないことが大切です。
E飲み薬は最低1ヶ月以上必要です。これでじんま疹の症状が出るなら2〜3ヶ月必要です。重症では1年間の内服が必要です。
F慢性じんま疹では、じんま疹が消失して、すぐに内服を中止してしまうと再発することが多い傾向にあります。じんま疹が消失しましたら例えば1日2回の内服でしたら、これを2週間続けて、その後に1日1回の内服と半分の量に減らして、さらに2週間続けてと少ずつ減量した方が再発率が少なくすみます。
G第2世代の抗ヒスタミン剤が効果がない時は〜
 1)内服の量を2倍に増やしてみると意外に効きます。
 2)胃炎の薬(H2ブロッカー:タガメットやザンタック)を併用して服用すると有効率が増えます。例えばクラリチンという第2世代の抗ヒスタミン剤に胃炎のタガメットというお薬を併用しますと血液中のクラリチンの濃度が上昇して、効果が出やすくなるのです。
Hアスピリン不耐症などの特殊なじんま疹にはロイコトリエン拮抗体(キプレス)が効果があります。
Iロイコトリエン拮抗体の「アコレート」と第2世代の抗ヒスタミン薬を併用しますと膠原病などの自己抗体関与の慢性じんま疹で効果があります。

おう吐と下痢
@おう吐

おう吐が見られる時には、少しずつ水分をとることが大切です。具体的には、スポーツ飲料やりんごの果汁のようなカロリーのあるものが望ましく、水やお茶のようなカロリーのないものは適していません。与え方は、一回量を少なめに、回数を多くするとよいでしょう。
おう吐の回数が6回以上になると、脱水症の心配が出てきますので、点滴治療が必要になります。原因が何であっても、お子さんにとってはおう吐そのものが、かなりのストレスになります。

A下痢

下痢が見られる時には、母乳はそのまま継続で構いませんし、ミルクも薄める必要はありません。下痢自体がカロリー不足と水分不足を引き起こすので、母乳もミルクもできればそのまま飲ませましょう。離乳食は、水のような下痢の時はお休みとなりますが、そうでなければカロリーと水分を補う意味で食べさせた方がよいことになります。下痢によって塩分の不足も起こりますので、特に塩分の多いお味噌汁の上澄みやスープを飲ませることで、下痢が早く改善します。
母乳やミルクを飲んでいないような幼児では、おかゆが嫌いなお子さんもいます。その場合は先ほどと同様に、普通のごはんを食べてもよいのです。食べないことより、食べてカロリーと水分と塩分をとった方がよいことになります。ただし幼児の場合は、脂っこい食事(ラーメン・焼きそば・カレー・ハンバーグなど)は、下痢の時には消化する力が低下しているので、避けた方がよいでしょう。
赤ちゃんや幼児の飲み物として、小さいお子さん用のスポーツ飲料(経口補水液)が、脱水予防に効果があります。経口補水液は、点滴治療に用いられる成分で作られた「飲むタイプの脱水予防治療薬」の働きを担っています。
おう吐がなくて口から水分をとれていても、下痢の回数が多いと脱水症になることがあります。これは仮に、口から100ml分の水分をとれても、同時に200ml分の下痢を起こすと、-100mlのロスということになり、脱水症になるわけです。

    小児のαヘルペスウイルス感染症
小児のαヘルペスウイルス感染症

東京慈恵医科大学
本田 まりこ先生講演会より

小児のαヘルペスウイルス感染症には

@単純性ヘルペスウイルスT型
口の中の歯肉に口内炎や皮膚に単純性疱疹やカポジ水痘様発疹症などのヘルペスウイルスの感染症を引き起こします。 主に口の中の粘膜と皮膚に発疹ができます。 同じお子さんが頻回に再発を繰り返すものが多いのが特徴です。 A単純性ヘルペスウイルスU型 ヘルペスウイルスの感染が外性器に発疹をつくります。 いわゆる性器ヘルペスです。 お子さんでもみられることがありますので、注意が必要です。 B水痘帯状ウイルス 多くは水痘(水ぼうそう)としてみられますが、帯状疱疹でみられることもあります。 a:冬に多く夏少ない傾向にあります。 b:水ぼうそうで死亡してしまうお子さんもいます。 c:妊産婦さんが妊娠20週までに水ぼうそうにかかりますと、赤ちゃんは体内で水痘帯状ウイルスに感染してしまうため、生後は水ぼうそうに感染せず帯状疱疹になります。   妊産婦さんが水ぼうそうにかかったら、ゾビラックスという水痘のお薬を飲んで赤ちゃんを守ることが重要です。   ゾビラックスは妊産婦さんでの安全性は確率しています。 d:1才未満で水ぼうそうにかかりますと、そのお子さんは1才過ぎに帯状疱疹になることが多い傾向にあります。 e:水痘ワクチンは帯状疱疹を50%くらい予防することができます。
f:水痘ワクチンを接種したお子さんが水痘にかかるのは20%くらいです。
  水痘ワクチンを接種してお子さんを守りましょう。

ヘルペスの症例はこちらです。
水ぼうそうの症例についてはこちらです。

    〜治りにくい水ぼうそうがありました〜

幼稚園の女の子が「水ぼうそう」で来院されました。
典型的な「水ぼうそう」の症状で、水ぼうそうの予防接種はしていません。
水ぼうそうは普通5日間の治療で治りますが、女の子は5日を過ぎても全く治りません。
水ぶくれや発赤、傷が多発してみられていました。
水ぼうそうのお薬が効きませんので、漢方のケイガイレンギョトウ(ツムラ50)というお薬を飲んでいただきました。
このお薬は、皮膚の膿を排出させて発赤を改善し、皮膚の修復をしてくれるお薬です。
飲み始めてから水ぼうそうは治りました。
難しい「水ぼうそう」もあるのですね。私が小児科医になって29年たちますが、この女の子が初めての「難活性の水ぼうそう」でした。

    急激なお天気変化と「アレルギー症状」
最近急に気温が下がってきました。猛暑の夏から気温差が著しいものがあります。
気温の下がり方が大きいせいで、増えているお子さんの病気が3つあります。

*アレルギー性鼻炎
気温の変化のが大きいと、秋でもアレルギー性鼻炎のお子さんが増えます。症状は鼻水・くしゃみ・鼻づまりが主なものです。「ぜん息」のあるお子さんにアレルギー性鼻炎の症状が出始めると、その後から「ぜん息」の症状が出てくる傾向があります。しっかりとアレルギー性鼻炎の治療をして「ぜん息」の発作を予防しましょう。

*ぜん息
急激に気温が下がったり、雨が降ったりとお天気がよくないと「ぜん息」のお子さんは「咳」が出始めます。気温差が大きいと、ぜん息発作を起こしやすくなります。毎年梅雨や秋の台風シーズンに発作を起こす傾向がありますが、今年の秋は気温の急激な変化がぜん息の原因と思われます。多くのお子さんが発作を起こしていますが、秋のシーズンは特に頑張って治療しましょう。

*アトピー性皮膚炎
例年、冬になるとアトピー性皮膚炎のお子さんはヒフの症状が悪化しますが、今年の秋は急激に気温が下がり症状がヒフに表れ始めています。本来の秋ですと保湿剤がメインの治療で十分ですが今年は少し早目にステロイドの塗り薬を使用した方がよいでしょう。

    小児皮ふ細菌感染症の対処法
〜帝京大学 渡辺普一先生講演会より〜

@乳児多発性汗腺膿瘍
赤ちゃんの頭部に多発してできる「かたまり」で、別名「あせものより」というものです。
黄色ブドウ球菌に感染してできたもので、抗生剤の内服で治りますが、ぬり薬では治りません。


ASSSS(ブドウ球菌性熱傷様ヒフ症候群)
・黄色ブドウ球菌の「毒素」が原因でおこる重症細菌感染症です。
発熱で始まり、目やに、鼻汁、口周囲が赤くなり放射状の亀裂がみられ、全身に様々な発疹がみられます。

・「擦過痛」が特徴で、ちょっとさわっただけでも痛がり、ちょっとこするだけでも皮ふがむけてしまいます。

・「とびひ」の治療中に生じることが多いので、しばしば「薬疹」と間違われますが、この時ステロイドの内服を受けると「死亡してしまう」ことがあるので、
「とびひ」のお子さんには特に注意が必要です。
(赤ちゃんは基本的に「薬疹」が少ないのが特徴です。)


BMRSA
・これは抗生剤が効きにくいタイプの黄色ブドウ球菌で、とびひの原因としてよくみられます。
ゲンタシン軟膏やアイロタイシン軟膏では効果がありません。

・ナジフロキサシン(アクアチム軟膏やクリーム)でしたら「MRSA」にも有効で、「通常のとびひ」と「MRSAのとびひ」に一番効果的です。

・ホスホマイシン(抗生剤)を内服し、数時間後にセフェム系抗生剤かペニシリン系抗生剤をのんで治療をすると改善します。
さらに治りにくければ、8才以上のお子さんではミノマイシンなどの抗生剤やバクタ、リファレピシンなどの内服薬が有効です。


Cアトピー性ヒフ炎では
・適切な治療をしているにもかかわらず、急激に「水疱」をともなう発疹が生じた場合、
「とびひ」、「カポジ水痘様発疹症」に注意が必要です。

・不適切なアトピーの治療を繰り返している場合には、医師の指導のもとステロイドのぬり薬で治療を行うことが大切です。



     とびひの対処法
〜神奈川県立こども医療センター 皮膚科 馬場直子先生 講演会より〜

@とびひのところに消毒薬をぬるのは、とびひの部分の皮膚の改善を遅らせてしまうので、よくありません。

A抗生剤のよく効くタイプのとびひは・・・・
・早期に治療を開始すれば、90%は一週間以内に治ります。
・治るまでに、抗生剤の内服は二週間以内で終了できています。
・治療の開始が、とびひになってから7日以上たってしまうと、治るのに時間がかかります。

B抗生剤の効きにくいタイプのとびひは・・・・
・早期に治療を開始しても、治るのに時間がかかります。
・治るまでに、抗生剤の内服を二週間以上必要としました。
・ホスミシン・ミノマイシン・バンコマイシンなどのお薬が、とてもよく効きます。

Cとびひは、その原因菌により症状の差があり、注意も必要です。

D連鎖球菌性膿か疹(溶連菌が原因のとびひ)は、
1)季節を問わず、一年中みられます。
2)「発熱」・「のどの痛み」・「リンパ節の腫れ」を伴うことがあります。
3)溶連菌が原因ですので、抗生剤の10〜14日間の内服が必要となります。
 (溶連菌感染に伴う、感染後の糸球体腎炎の出現に注意が必要です。)
4)発疹は「か皮性」で、じくじくしていますが、「水ほう」はみられません。

E黄色ブドウ球菌性膿か疹(ブドウ球菌が原因のとびひ)は、
1)初夏から初秋に多くみられます。
2)初めに、鼻の周囲に発疹ができることが多い傾向にあります。
3)重症なタイプでは、「SSSS」と言って、次の症状があらわれます。
  (A)顔がむくんだように腫れてきます。まぶたも腫れます。
  (B)皮膚が腫れて痛くなります。
  (C)関節などの皮膚の摩擦部位に、赤い発疹があるのが特徴です。
  (D)外陰部にびらん(ただれ)ができます。
  (E)2〜3日で症状が急激に悪化しますので、しばしば入院治療が必要となります。
  (F)全身状態が明らかに悪いのが、よくわかります。

Fゲンタシン軟膏は、ほとんど効きません。

G消毒は、とびひには必要ありません。

Hかゆみを伴う時は、かゆみ止めののみ薬を併用した方が、とびひの「かきこわし」を防ぐことができます。

溶連菌感染症
こどもたちの発熱の中で、ポピュラーな病気です。
典型的なケースでは、発熱、イチゴ舌、発疹を
おこしますが、近頃のケースでは下痢や腹痛や
嘔吐や悪心などの胃腸の症状が目立つ場合や
咳がひどくなり、喘息や咳喘息の発作が悪化
したようにみられる場合も多くあります。
続き
綿棒を使ってのどをこすって検査キットで調べると
10分〜15分で感染しているか否かすぐに判定できます。
昔は診断するのにとても時間がかかり、治療も遅れることが多く、重症化して心臓に障害を起こすリウマチ熱や急性糸球賢炎などを起こしたケースが多くありました。
続き
しかし、現在は検査キットのお陰で、治療がとても早くスタートすることが出来るようになり、重症化するケースは現在ほどんど見られません。

治療は適切な抗生剤を10〜14日間内服して、
内服終了後4週間後に尿検査が必要となります。
これは病気がなくなった後に、症状の全くない
賢炎(溶連菌感染後賢炎)を併発することがあり、
必ず尿検査が欠かせません。
じんましん
突然、赤色にもりあがってふくれた発疹がかゆみといっしょに出現するものです。原因の多くは不明なものが多いですが、食物やお薬、溶連菌感染症が原因になることがあります。
治療はかゆみ止めのお薬をのむことです。また発疹が消えるのでまで、お風呂に入らないことです。温めると、じんましんはなかなか消えません。
かゆみ止めのお薬は、眠気がほとんど出ないものもあります。以前のような眠気の心配はいりません。基本的に、ぬり薬の効果は補助的なものとなります。

小児のじんま疹における飲み薬の上手な使い方

@ お子さんのじんま疹にはかゆみ止めの飲み薬がよく効きます。じんま疹が 出たらなるべく早く飲み始めるのが「第一のコツ」です。
  食物アレルギーによって起こるじんま疹やアナフィラキシーの症状、原因がわからないお子さんのじんま疹にもよく効きます。

A 小児では、眠気や集中力の低下、けいれんの誘発といった副作用の少な い、新しいタイプのお薬をえらぶことも重要です。
 これが「第二のコツ」です。

B お子さんによってはじんま疹のお薬を使用しても改善されない、難治性の 小児慢性じんま疹もあります。
  このようなお子さんには新しいタイプのかゆみ止めに加え、本来はぜん息に使われるキプレスというお薬を併用すると改善することがあります。
 これが「第三のコツ」です。

乾いた咳と湿った咳
乾いた咳は、たんのからまない咳で、主にぜん息にみられます。
湿った咳は、たんのからむ咳で、主にばい菌感染による気管支炎にみられます。

病気によって、咳の症状に違いがあります。

@ぜん息発作
ぜん息では、咳き込んでおう吐したり、夜間や早朝に咳がひどくなる傾向があります。通常のぜん息は、息を吐く時にゼイゼイ・ヒューヒューと音がして息苦しくなりますが、咳ぜん息ではこれが見られず、ひどい咳だけが主な症状です。

A百日咳
百日咳では、咳き込んだ後、息を吸う時に笛のようなヒューという音が出たり、短い咳こみが連続して突然起きる「発作性」のものがあります。百日咳のみの感染の場合は発熱はみられません。
赤ちゃんは無呼吸発作からけいれん、呼吸停止につながるケースもあるので注意が必要です。赤ちゃんで咳がなかなか止まらなかったり、2週間以上続くようなら百日咳を疑ってみましょう。
ぜん息の薬では効果がありません。
最近では成人でも感染する方が増えてきました。子供のときに接種した三種混合ワクチンの効果が成人になるまで持続しない可能性が指摘されています。

Bマイコプラズマ感染症
幼児以上にみられ、百日咳のように咳がひどく2週間以上続くことが多いのですが、息を吸ったり吐いたりする時にヒューという音はみられません。発熱がある場合とない場合があります。発見が遅れるとマイコプラズマ肺炎になることもあります。
ぜん息のお子さんが感染するとぜん息も悪化します。

C溶連菌感染症
咳がひどくなりますが、特にぜん息のお子さんに感染しますとぜん息が急速に悪化します。発熱はある場合とない場合があります。幅広い年齢で感染がみられます。

D副鼻腔炎(ちくのう症)
副鼻腔があると咳が長びくことがあります。この場合、長期ののみ薬が必要になります。咳以外に、鼻づまり、鼻汁、いびき、睡眠中の無呼吸、常に鼻をこすっているなどが見られるのも特徴的です。

E急性鼻炎(鼻かぜ)
鼻かぜで鼻水が多いと、これがのどの方にまわり結果として咳が出ることがあります。赤ちゃんによくあるケースです。

Eアレルギー性鼻炎(花粉症)
鼻とのどがつながっているため、花粉症がひどいと咳が出ます。鼻水がのどにまわって出るものと思われます。花粉症の治療で改善します。


水いぼ

発熱
お子さんの体温が37、5゜C以上の場合を発熱といいます。

「注意が必要な発熱」は、次のようなものがあります。

@元気がない
A顔色がよくない
Bぼーっとしている
Cおしっこの量がいつもより少ない
D水分をとりたがらない
Eおでこを触ると熱いのに、手足がやけに冷たい
   (紫色)
F頭痛を強く訴える
G吐き気が強い、または頻回におう吐している
H夜、高熱で眠れない
Iけいれんしている
J咳がひどく眠れない、または咳き込んでおう吐してしまう
K耳だれが多い
L機嫌がやけに悪い
M胸の痛みが強い
N呼吸が苦しい
Oお腹の痛みが強い
P血液の混じった便が出る
Q出血したような発疹が皮膚に多数見られる

上記の場合には、細菌やウイルスが体のどこかに侵入して症状を出している可能性がありますので、なるべく早急に小児科を受診する必要があります。
逆に上記の@〜Qのような症状を伴わない元気な発熱のお子さんは、様子を見てよい場合があります。
(千葉県では「こども急病電話相談」があるので、「#8000」に電話をかけて相談してみるのもよいでしょう。

「本当に熱がない?」
よくお母さん方は、お子さんの発熱について、「夜は熱が出るけれども、朝と昼は熱がないんです。」と言われることが多いのですが、このようなケースは、「発熱がある」と考えなければいけません。お子さんの熱が下がったということは、朝も昼も、そして夜も発熱がみられない事を意味しています。夜間だけの発熱で、昼は元気であっても、この状況が長く続く時には、お薬の治療が必要になるのです。何らかの病気の原因があって、結果として初めて発熱が見られるのです。

「解熱剤の使い方」
発熱時の解熱剤は、38、5゜C以上の発熱があり、元気がなかったり、夜眠れなかったりしたら、使ってあげましょう。1゜Cでも0、5゜Cでも熱が下がると、お子さんは楽になります。逆に発熱がみられても、元気があってニコニコしている時や、夜よく眠れる時は、使わずに様子をみてもよいでしょう。小児用の適切な解熱剤であれば、どの病気でも使用は可能です。

「熱性けいれんの既往があるお子さん」
熱性けいれんを以前におこしたお子さんは、37、5゜C以上の発熱がみられたら、熱性けいれんの予防治療の坐薬(ダイアップ)を1個挿入します。その後、8時間後に再度同じ坐薬を1個挿入します。こうして2回使用すると、熱性けいれんがおこりやすい、発熱後48時間以内の熱性けいれんの予防ができます。熱性けいれんのお子さんでは、この2回目のダイアップ坐薬を使用した後、30分経過すれば初めて解熱剤が使えるようになります。発熱して間もない時期で、ダイアップ坐薬の予防をせずに解熱剤を使うと、熱が下がって再び熱が上がった時に熱性けいれんをおこしやすくなるので、注意が必要です。



脱水症
脱水症には、点滴治療が不可欠です。
子供の体の中には、大人と比べて多くの水分がたくわえられています。脱水症とは、おう吐したり、下痢が頻回だったり、食欲がなかったりして水分がとれないような時に、子供の体の中にあるべき水分量が著しく減少して、いろいろな症状が出てくる状態をいいます。
@元気がない、ぼーっとしている、寝ていることが多い
A普段よりおしっこの回数や量が少ない
B顔色がよくない
C口の中が乾燥している
 (元気な子供の口の中は、かなり湿っているものです)
D唇が乾燥している
Eお腹がへこんでいたり、お腹にしわがいっぱいできている
 (元気な子供のお腹は、カエルのように突き出しているものです)
F手足が冷たい
G手足の色が紫色である
H赤ちゃんの頭のてっぺんにある大泉門という骨のない部分がへこんでいる(元気な赤ちゃんでは平らです)
Iけいれんがみられる
脱水症は、放置しておくと症状が進行するばかりで、改善はしません。脱水症がみられたら、できるだけ早く点滴治療(血管にチューブを入れて、直接体に水分補給をする治療)が必要となります。子供は短時間に発症するので、早期に見つけて、早期に治療が必要です。
脱水症に伴って、体の中の血糖値が下がる低血糖症や、ナトリウムの値が下がる低ナトリウム血症がおこると、場合によっては「けいれん」をおこすことがあります。特に低血糖のけいれんは、脳のダメージが大きいので、すみやかに点滴からのブドウ糖の投与が緊急に必要となります。


写真提供・「ゆうかり医療療育センター 社福」の本廣 孝先生」

水いぼ
伝染性軟属腫といって、円形のきれいな形をした
小さな発疹が体にできるものです。
伝染軟属腫ウィルスが皮膚に感染をおこしているわけですが、治療はトラコマ摂子という特殊なピンセットでつまみとることが一番早く治ります。
つまみとる時に、こどもが少し痛がりますが、
その他の治療に比べて再発が少ない最も有効な方法です。理想的には「5ヶ以内」と発疹の数が少ないうちにとることがこどもの痛みを小さくすることになります。

痛みのない方法としては、お風呂上りにイソジン液を水いぼ部分にぬり、「たこ」の治療で使うスピール膏を水いぼ部分より小さく切っていぼに貼り、絆創膏で固定します。これを毎日しますと一週間くらいで水いぼがやわらかくなるので、その後はイソジンだけ
をぬっていきます。そうすると2〜3週間後には治ります。
ただしこの方法で改善しない場合は、ピンセットで取ることになります。
水いぼ

いぼ
じんじょう性ゆうぜいといって、いぼのウィルスが
皮膚に感染をおこして出来るものです。治療は液体窒素で発疹の部分を冷却するだけですみます。
これをいぼがなくなるまで、月に3回程度行います。
発疹は結構硬く、発疹の中心部に黒い斑点(出血班)がみられるのが特徴です。20年前のこどもには、いぼはみられませんでしたが、現代っ子は手の指、足の指、足の裏側などに多く見られます。

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