野田市 小児科 千葉県 喘息 アトピー性皮膚炎 アレルギー  たんぽぽこどもクリニック
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 最近のお子さんの病気の症状は、多様化し複雑化しています。
 今までのお薬では対応出来ないケースもみられています。
 このような時には、漢方薬が意外に効果を発揮することがあります。
 漢方薬も最近のものは、以前のものに比べて飲みやすくなっています。
 お困りのお子さんがいらっしゃる場合は、ご相談下さい。
 以下に当院でお子さんに効果が良かった漢方薬と病気についてお話します。

小児のメンタル疾患と漢方治療
お子さんでもストレスを感じそれが原因で様々な症状を示してきます。
現代っ子はお母様やお父様の予想以上にデリケートになっています。

@夜泣き
赤ちゃんは昔から夜泣きをします。軽い夜泣き自体は問題はありませんが強い夜泣きはお母さんやお父さんの睡眠を悩ませます。夜泣きは赤ちゃんが本来気持ちがリラックスして寝ているはずの夜間に興奮や不安がおこってしまうためです。ですので、赤ちゃんが夜間気持ちが落ち着くようにすれば良いわけです。
1)甘麦大棗
このお薬は「甘草」「小麦」「大棗」という甘味のある構成生薬です。甘味のあるこれらの生薬は「安神作用」という精神安定作用があります。甘麦大棗という漢方薬は赤ちゃんが夜間に興奮している状況を気持ちを落ち着かせてリラックスさせて夜泣きを改善してくれます。小さいお子さんは甘いものが好物で甘いものを食べるとニコニコして気持ちが落ち着きます。
2)抑肝散
甘麦大棗を内服しても夜泣きのおさまらない時によく効く漢方です。甘麦大棗に比べますと、同じ夜泣きでもどちらかといいますととてもかんの強い赤ちゃんに向いています。構成生薬の「柴胡」はイライラした状態を落ち着かせる働きがあります。また元気のない状態の「気うつ」を改善させる働きもあります。柴胡は「胸胸苦満」という胸部のあたりのストレスによる様々な症状(例えばストレスで胸が痛いとか胸の違和感がする)を改善する作用ももちあわせていますのでよりメンタルな部分に働くことでしょう。

A多動症(落ち着きがない)
1)甘麦大棗
多動症のお子さんは落ち着きがないのが一つの特徴ですが本来ならば年令に一致した状況になっていないために起きてくる不安感が原因としてあります。この不安感を改善させるのに「安神作用」という精神安定作用が効いてくるのです。甘いお薬ですので味にデリケートなお子さんでも飲めるのが良い薬です。
2)抑肝散
甘麦大棗を内服しても効果がない多動症のお子さんには抑肝散が効果があります。構成生薬の「柴胡」はイライラした落ち着きのない症状を改善してくれます。神経過敏や多動症に効果があります。多動症のお子さんはイライラ感がみられますのでこれを改善するだけでもかなり症状が良くなります。

Bチック
1)柴胡加竜骨牡蛎湯
「チック」というのは何らかの精神的ストレスを感じてその結果として「目の目立つまばたき」とか「体の部分を無意識に動かしている症状」のことです。チックのお子さんでも落ち着きのみられないこともあり、構成生薬の「柴胡」がイライラ感を静めてくれます。「柴胡」は胸胸苦満といった胸部におけるいやな感じがある「気うつ」の症状でも改善します。「竜骨」や「牡蛎」は精神不安定よる「あせり感」を改善する作用があります。構成生薬には大棗も含まれていますので「安神作用」という精神安定さようにも効果があります。チックのお子さんは落ち着きがないのに加えて「イライラ感」や「あせり感」などがおきてきます。これらをまとめて一つの漢方薬で改善出来るのが「柴胡加竜骨牡蛎湯」なのです。
2)抑肝散
構成生薬の「柴胡」が「イライラ感」を改善して気持ちを落ち着かせる作用がチックの症状を改善することがあります。多動症のチックがみられるお子さんに向いています。チックで眼のまぶたが「けいれん」するようになる症状にも効果があります。構成生薬に「当帰」と「センキュウ」が入っていますのでこれらがお腹の痛み(下腹部)にも効きますのでチックでお腹が痛いお子さんにも向いています。構成生薬の「センキュウ」や「釣藤鈎」は神経過敏な頭痛にも効きますのでチックで頭痛のあるお子さんにもむいています。

C気管支喘息(心因性)
1)神秘湯
気管支喘息のお子さんで精神的ストレスを感じると「喘息発作」として「咳」が出ることがあります。 この場合は通常の喘息のお薬に加えてストレスで元気がなくなっている状態を治してあげれば良いのでこのような時に効くのが「神秘湯」です。 「神秘湯」には「麻黄」と「杏仁」が入っていますのでこの2つが喘息発作で腫れている気管支の浮腫を改善します。 「神秘湯」に入っています「柴胡」と「厚朴」と「蘇葉」が「気うつ」になったメンタルの状態を改善してくれるのです。 この構成成分のおかげで心因性の喘息発作が改善されるわけです。

D過敏性腸症候群(IBS)
1)桂枝加シャク薬湯
過敏性腸症候群(IBS)のお子さんは「下痢」と「便秘」と「腹痛」を繰り返すことが多くみられます。 この中で最もお子さんが困るのは「腹痛」です。「腹痛」という痛みはストレスを増加させます。このような時に効くのが「桂枝加シャク薬湯」です。 「桂枝加シャク薬湯」の構成成分は「シャク薬」が最も多く含まれておりまして、この「シャク薬」がお子さんの腹痛を改善させてくれるのです。 「桂枝加シャク薬湯」の中には「桂枝」も含まれていますので「腹痛」や「下痢」で気分がイライラした状態にも効きます。 「桂枝加シャク薬湯」の中の「大棗」は「安心作用」といって精神安定作用のある甘い成分です。

E様々な「気うつ」の症状
1)半夏厚朴湯
のどに物がつまったような感じとかのどのあたりに変な感じがするといった主に「のど」のあたりの違和感があるお子さんに良く効きます。 「半夏厚朴湯」の構成成分である「厚朴」が「のど」の違和感の「気うつ」の症状に効くのです。「半夏厚朴湯」の構成成分である「蘇葉」も「気うつ」に効きます。 「半夏厚朴湯」の構成成分であるには「半夏」も入っていますので「のど」の違和感に加えて吐き気や気持ち悪いなどの症状があるお子さんにも効きます。 同様に「半夏厚朴湯」には「茯苓」も入っていますので同じようなお子さんでも「めまい」があるお子さんにも効きます。
2)小柴湖湯
胸全体のどこかに「痛み」や「違和感」を訴えるお子さんも「気うつ」の傾向があります。いわゆる「胸胸苦満」です。この時に最も効果があるのが「小柴湖湯」に最も多く含まれる「柴胡」の構成成分です。 「胸胸苦満」の大切なポイントはお子さん自身が訴える自覚症状なのです。「胸胸苦満」は「気うつ」の症状が胸部に表れているので「胸部の気うつ」とも考えられます。
3)柴朴湯
構成成分は「小柴胡湯」と「半夏厚朴湯」を含ませたものです。「胸胸苦満」がより強いお子さんやより「気うつ」の強いお子さんや気管支喘息のあるお子さんの「胸胸苦満」に良く効きます。
4)柴苓湯
構成成分は「小柴胡湯」と五苓散を合わせたものです。「胸胸苦満」がありお腹の症状(下痢)が出やすいお子さんに向いています。

F脱毛症
お子さんに様々なメンタルな負担がかかりますと皮ふに脱毛がみられるお子さんもいらっしゃいます。
1)甘麦大棗湯
脱毛症のお子さんはメンタルにデリケートな原因がありますので原因がわかればそれを取り除くことも大切ですがお子さんのストレスを軽減することも重要です。 このようなお子さんは精神的に不安定なことが多いので「甘麦大棗湯」に含まれる「大棗」のもつ「安神作用」で精神を安定して落ち着かせて不安を減らすことも大切です。
2)柴胡加竜骨牡蛎湯
構成成分である「竜骨」や「牡蛎」は「焦燥感」に効果があります。お子さんでメンタルストレスを感じますと「焦ってしまう」お子さんがいます。この状態を改善してくれるのが「竜骨」や「牡蛎」です。 また、構成成分である「桂皮」は「気逆」「気の上衝」といったストレスによる「気」の頭への偏在がおこるのを改善してくれるのです。 もちろん、「柴胡」が入っていますので「胸胸苦満」や「気うつ」にも十分効果があります。

小児の局所の感染症と漢方治療
@小児の肛門周囲膿瘍
赤ちゃんによく見られるのおしりの病気として「肛門周囲膿瘍」という皮膚の局所の細菌の感染症があります。
「肛門周囲膿瘍」は男の子に多くみられ、生后6ヶ月未満の赤ちゃんが大半を占めます。
肛門の周囲に黄色の膿みのたまった赤い膿瘍が肛門周囲の6AMか3PMの方向に腫れてみられます。
A)十全大補湯
「肛門周囲膿瘍」には「十全大補湯」という漢方薬がよく使われます。
「十全大補湯」は「四物湯」と「四君子湯」と桂枝と黄耆の生薬で構成されています。
「四物湯」は補血剤で「血虚」を改善します。血の巡りが良くなくて栄養がいかないで組織が痛んだ状態「血虚」を改善する作用があります。
例えば、指先や皮膚や爪などの末梢に多くみられる爪がわれたり指先がわれたり指先が乾燥したりする「血虚」の状態を改善します。
「肛門周囲膿瘍」は「血虚」で出来上がった病気ですので、四物湯がこれを改善する働きがあります。「四物湯」には「芍薬が入っていますので肛門周囲膿瘍の痛みでお腹がつっぱるのを軽減してくれます。
「四君子湯」は補気剤で「気虚」を改善するお薬です。また補脾剤で「脾虚」を改善するお薬でもあります。
「気虚」と「脾虚」は合併していることが多くあります。「気虚」がありますと食欲がない、食べられない、下痢をしやすい、食が細いなど脾の働きが良くない、消化管の消化吸収能力が良くないことになります。人間は食べることでその効果として体の様々な漢方的な症状が改善するようになっています。「脾虚」が改善されませんと「脾虚」以外の症状(血虚)も良くなりません。
十全補湯は、四君子湯で「気虚」と「脾虚」を同時に治すことで「血虚」の症状もより改善しやすくなっている漢方薬なのです。十全大補湯に入っている黄耆も皮膚を改善します。十全補湯は再発生を繰り返す肛門周囲膿瘍にも効きます。
使用目標は完全に膿瘍が消失するまでですのでかなり長期の内服でも大丈夫です。
B)排膿散及湯
「肛門周囲膿瘍」で発赤と膿みと腫れが特に著明な場合には「十全大補湯」よりも「排膿散及湯」の方が良く効く場合があります。
「排膿散及湯」という漢方薬は発赤があって膿みがたまった状態の膿みを排出させて症状を改善させる「桔梗」や「枳実」といった排膿作用のある生薬成分が入っています。ですので「肛門周囲膿瘍」だけではなく局所に膿みがたまって発赤のある状態でしたら「排膿散及湯」ほ良く効きます。例えば扁桃腺やにきびや蜂窩織炎にも効きます。


Aニキビ・ニキビ様皮フ炎
A)排膿散及湯
お子さんのなかなか治らない難治性のニキビやニキビ様皮膚炎に良く効きます。
使用の目安はニキビやニキビ様皮膚炎でみられる膿栓(膿みのかたまりが丸く集まったもの)が多く多発していて皮膚に赤みがあれば排膿散及湯を使用しますとよいでしょう。
「排膿散及湯」は皮膚にたまった膿みを外側に排出させる排膿作用をもつ生薬成分であります。「桔梗」や「枳実」を含んでおりますので良く効きます。もちろんミノマイシン(抗生剤)の併用をしますと更に早く改善がみられます。
使用目標はニキビやニキビ様皮膚炎が完全に消失するまでですので数ヶ月の長期内服が必要になることも十分あります。


B副鼻腔炎(蓄膿症)
A)「荊芥連ギョウ湯」
難治性の副鼻腔炎には、「荊芥連ギョウ湯」がとても良く効きます。通常の副鼻腔炎の治療をしても全く治らないお子さんに良く効きます。
「荊芥連ギョウ湯」の構成生薬の「四物湯」は血虚を治す補血剤で血液のめぐりを良くして痛んだ状態の副鼻腔や鼻の中の組織を修復して改善させます。
「荊芥連ギョウ湯」の構成生薬の「黄連解毒湯」は副鼻腔や鼻の中の炎症の熱をさます作用があります。
「荊芥連ギョウ湯」の構成生薬の「桔梗」や「枳実」は排膿させる作用をもっています。これらが組み合わさって排膿、清熱、修復を行うわけです。
使用目標は症状が消失するまでですので1〜3ヶ月位かかるお子さんもいます。


C扁桃炎
A)小紫胡湯加桔梗石膏
喉が痛い扁桃炎に良く効きます。構成生薬は小紫胡湯に次の2つの生薬が加わったものです。
真っ赤にのどが炎症をおこしているのを冷やす作用のある「石膏」と扁桃の膿みを排出させる排膿作用のある「桔梗」が加わったのが小紫胡湯加桔梗石膏という漢方薬です。喉が真っ赤で扁桃炎に膿が付いている状態のお子さんに良く効きます。
使用目標は大体1週間です。

B)排膿散及湯
喉の痛みよりも扁桃腺に膿栓(膿みのかたまり)が多数みられる扁桃炎のお子さんに良く効く漢方薬です。
構成生薬の「桔梗」と「枳実」に排膿作用がありますので膿みがたまった扁桃炎に良く効きます。
使用目標は大体1週間です。


D蜂窩識炎
  A)白虎加人参湯
お子さんの皮膚の局所に細菌感染が起きて、その炎症が広範囲に皮膚の深い所まで見られてくるのが蜂窩識炎ですが、発赤、熱感、腫張、圧痛が強いのが特徴です。
構成生薬の「石膏」が強烈に冷やす作用のあるお薬ですので、蜂窩識炎の強い発赤と熱感を冷まして改善してくれます。通常は1週間くらいの内服で十分です。  抗生剤と併用するのが良いでしょう。


E面庁
A)排膿散及湯
お子さんの皮膚の局所に強い細菌感染を起こしてその炎症が強く皮膚が真っ赤になって熱感と腫張が激しい場合に「排膿散及湯」が良く効きます。特に顔面に出来たお子さんの「面庁」には良く効きます。
使用目標は赤みが完全にとれるまで少し長目に2〜4週間使用しても良いでしょう。

小児の下痢と漢方治療
@小児の下痢ではいくつかのポイントがあります。

1)口渇(のどのかわき)があるかどうか。
2)吐き気があるかどうか。
3)冷えがあるかどうか。
4)下痢に出血を伴なっているかどうか。
5)重症の下痢かどうか。
6)舌が渇いているかどうか。
上記の点に配慮しながら次のような漢方薬を選択していきます。

A五苓散(ゴレイサン)
1)下痢をしている時はお子さんのお腹の中の水回りが乱れています。
下痢は体の中の水分が腸に集まってきてそれが外に出てきたもので、これを「水毒」といいます。 「水毒」がみられていて、お子さんに口渇(のどのかわき)がみられている時に効くのが「利水剤」である五苓散です。
五苓散は「茯苓」と「蒼朮」と「沢瀉」と「猪苓」という主に水まわりを改善する生薬成分が含まれています。 「茯苓」は目眩(めまい)や動悸(どうき)に効きます。
「蒼朮」は四肢の痛みや胃がポチャポチャという「胃内停水」に効きます。
「沢瀉」は目眩(めまい)や頭がしめつけられるような帽子を頭にかぶったような感じの「頭帽感」に効きます。
「猪苓」は熱を繰り返す下痢に効きます。
これらの成分があわさって「水の捌き方」に効を奏するのです。
五苓散の使用の1つ目のポイントは口渇(のどのかわき)がある下痢です。口渇(のどのかわき)があるということは「利水剤」の五苓散を使用できる指標です。
2つ目のポイントは舌が渇いていない「水毒」の特徴があるということです。もし、舌が渇いている時には「脱水症」ですので「利水剤」の五苓散は点滴などの脱水症の治療と併用して行わなければなりません。
2)五苓散の注腸療法
お子さんが下痢や嘔吐や悪心の症状が強い時には「五苓散」をお湯に溶かしてチューブでお尻の穴から注腸をする方法がとても有効です。
注腸療法は、
A)症状の改善が早いことです。注腸してから15分程度で症状の改善がみられます。
B)嘔吐の回数が多かったり、悪心や腹痛の訴えが強いお子さんでは、注腸療法により嘔吐が止まったり、悪心もなくなり腹痛も消失します。
C)顔色不良なお子さんや元気がないお子さんでは注腸療法後に著明に症状が改善して元気になります。
D)「五苓散」の内服が苦手なお子さんでも行なえる治療法です。
E)腸雑音の亢進が著明な嘔吐や下痢のお子さんでは注腸療法をしますと腸雑音の亢進が短時間で消失して症状も改善します。

B猪苓湯
口渇(のどのかわき)があって、悪心がなくて、下痢の症状が重い時に効きます。「猪苓湯」の生薬成分には「猪苓」「沢瀉」「茯苓」という「五苓散」にも含まれている「利水剤」が入っていますので、「水毒」の下痢に効きます。 また、生薬成分の「阿膠」は止血剤の作用がありますので、出血を伴なう下痢や感染症胃腸炎(食中毒)のひどい下痢に良く効きます。さらに、「阿膠」はその止血作用から「出血性膀胱炎」にも効きます。さらに、生薬成分の「滑石」は強力な静熱剤ですので熱を繰り返す下痢にも良く効きます。 使用のポイントはお子さんの口渇(のどのかわき)があって悪心がなくて舌が乾いていない「水毒」の所見があり、さらに血便や血尿を伴なう下痢に使用しますと良いということです。 五苓散に似た「水毒」ですがさらにより重い下痢に使用するとよいかと思います。出血していなくても水様性の下痢がひどければ良く効きます。

C半夏瀉心湯
口渇(のどのかわき)がみられていない、悪心のある下痢に効きます。 生薬成分の「半夏」は胸に水がたまる状態(吐気、嘔吐)を乾わかして症状を改善させる作用があります。 半夏の入っているお薬はこのような乾かす作用がありますので、口渇(のどのかわき)がみられていなくて、舌が乾いていない時に使える漢方薬です。 生薬成分の「黄連」、「黄ゴン」は下痢とみぞおちの不快感を改善します。「人参」も同様にみぞおちの不快感を改善します。 五苓散や猪苓湯と異なるのは口渇(のどのかわき)がみられない悪心のある下痢に使いますと良く効くという点です。

D真武湯
寝冷えのような冷えでおきた下痢に良くき効きます。 例えば冷たいもの飲んで下痢をした時とかクーラーをつけっぱなしで手足が冷えて下痢になった時などが寝冷えの下痢となります。 「冷え」が原因ですのであたためて治すことが良いことになります。 生薬成分の「附子」は体の内側を温める作用があります。「附子」は強く体を熱して温めて冷えているのを温める作用があります。 「附子」は四肢(手足)を温めます。 「附子」が入っている漢方薬を使える時の目安は脈が弱く触れる「沈脈」という状態の時です。逆に脈がしっかりと強く触れる「浮脈」の時には「附子」が入っている漢方薬は使えませんので注意が必要です。   

小児の血管性紫斑病と漢方治療
主に下肢に紫斑と呼ばれる赤い出血斑がみられます。
紫斑は指でおしても消えないのが特徴です。
小児の難治性血液疾患に血管性紫斑病があります。
小児の血管性紫斑病は通常は入院して治療をすれば治る病気ですが、その中には紫斑病の再発を繰り返すお子さんや紫斑病性腎炎といいまして紫斑病に腎炎を合併して血尿や蛋白尿が出たりするお子さんがいらっしゃいます。
このようなお子さんに「柴苓湯」という漢方薬治療がとても良く効くことがあります。
柴苓湯は「小柴胡湯」と「五苓散」を合わせたものです。
柴苓湯の成分の「小柴胡湯」に含まれています「柴胡剤」は裏側の熱を冷やして炎症やアレルギーを抑える働きがあります。
紫斑病には炎症やアレルギーの関与が考えられておりまして、この症状に対しては「柴胡剤」が効くわけです。
また柴苓湯の成分の「五苓散」は水の偏在である「水毒」を改善させる成分が入っていますので紫斑病でみられます下肢の関節の腫れやむくみや腹痛に効くわけです。
さらに、「五苓散」の中の「朮」(じゅつ)という成分は四肢の痛みにも効きますので、紫斑病にみられます「関節痛」にも効いてくるのです。
「水毒」を改善させる効果は紫斑病の合併である紫斑病性腎炎にも効果が出てくるのです。
ここで大切なことは生薬の組み合わせです。
「小柴胡湯」単体でも効果は不十分ですし、「五苓散」単体でも効果は不十分ですし、この2つの組み合わせである「柴苓湯」が紫斑病に最も効くのです。
漢方薬のとても良いところは一つの漢方薬でたくさんの症状に対して効果がみられるということが特徴ですので「柴苓湯」はその代表といえるでしょう。

小児の冷えと漢方薬治療
冬とは限らずに、お子さんでも「冷え」の症状が年中あり様々な症状を示してくることがあります。
その原因としては、体中の血液の分布に部分的な片寄りがおこっていることがあります。

1)桂枝茯苓丸
 体が何となく調子が良くないというお子さんは意外と体の血液の分布が均等になっていないことがあります。
 血液が部分的に「充血」している状態を「癒血(おけつ)」と言います。(「癒血」は部分的に血液が体の中で片寄っていることです。)
 「癒血」の自覚症状としては主にお腹と下肢のものが多くみられます。
 何となくお腹が痛い、お腹の調子が良くない、便秘をする、足が腫れぼったい、足が痛い、足が冷たい、夕方になると足の調子が良くないなどです。
 「癒血」がありますとお子さんに舌をひっくり返してごらんと言いますと「舌下静脈の怒張」が見られます。
 健康なお子さんですと舌の裏側の舌下静脈はほとんど見られず、そして太く怒張して見えることもありません。
 この舌下静脈の怒張が「癒血」の簡単な見分け方です。
 「癒血」のお子さんは首から上の方は温かくて手足を触ると冷たいという「上熱下寒型」の「冷え症」の状態をしめしていますので、首や手や足を触れると良くわかります。
 ですので頭の方は暑く感じたり、、ややイライラしたり頭痛がしたり頭がカッカとします。対照的に手足は冷たいのでその冷えの状態が出てきます。
 大きなお子さんや成人の女性には下肢の静脈瘤もみられますがこれも「癒血」の代表的なサインです。
 桂枝茯苓丸には、「桂皮」が入っていますので体の表面を温めながらお腹の中を温める作用があります。
 また「のぼせ」(気逆)にも効果があります。「のぼせ」とは「イライラ」する、「頭がカッカ」する「興奮しやすい」などの症状を示しています。
 「癒血」のお子さんはお腹を触ると冷たいことがよくあります。手足以外にお腹も冷えているのです。
 また、「牡丹皮」と「桃仁」が入っていますのでお臍の下腹の痛み(不快感)(少腹痛)をとる作用もあります。
 「癒血」のあるお子さんはお腹を優しくソフトに触れますとお臍の下側の左右を押した時にかなり痛がります。お子さんが腹痛を訴えていなくてもお腹をさわって押してみるとこの症状がよくわかります。
 このように痛がる症状を「臍傍圧痛」といいまして痛がる場所を「癒血点」といいます。
 ポイントは直接お腹を優しくさわってみると初めてわかることです。
 この下っ腹の痛みを改善するのが「牡丹皮」と「桃仁」なのです。「茯苓」も入っていますので「気逆」でのぼせて「動悸」や「めまい」が伴なったお子さんにも効果があります。
 「芍薬」は「牡丹皮」や「桃仁」と同じでお腹の痛みをとる成分です。
 「癒血」のお子さんはもう一つお腹の特徴があります。それは心窩(みぞおち)からお臍の上あたりまでをゆっくり触りますと腹部の大動脈の拍動をはっきりと触れることです。
 拍動が触れた時にお子さんに「触っているお腹のところがドキドキしているのがわかりますか」とたずねるとお子さんは「ハイ」としっかりわかり答えてくれます。これを「臍傍動悸」といいます。
 「桂皮」が効くのはこのお腹の動悸にもあるかもしれません。

2)当帰芍薬散
 お子さんで爪が割れやすいとか指先の皮膚がカサカサして乾燥している時などは「血虚」のサインです。
 「血虚」は「癒血」とは違って本来手や足の先端といった末梢の部分の血液が不足していておこる状態です。これは「末梢循環不全型」の冷え症です。
 「血虚」を治すお薬が補血剤で成分にも入っている「当帰」「川弓」「芍薬」が効果を発揮します。
 「血虚」のお子さんは末梢の血流不足のために爪がわれたり、手の指先や足の指先がカサカサ乾燥してきますが、お腹の中にも「血虚」「血流不足」が見られますので、お腹の痛みの症状(少腹痛)も出てきます。
 「当帰」は皮膚の状態も改善して「小腹痛」にも効きますのでお肌の状態がよくなくて冷えでお腹が痛いお子さんに効きます。
 「川弓」は頭痛にも効きますし、「小腹痛」にも効きますので頭が痛くて冷えでお腹が痛いお子さんに効きます。
 ここでいう「少腹痛」というのは、例えば不正出血をした時や、月経痛で起きる腹痛、血流不足で起きるお腹の痛みを示しています。
 「血虚」も冷えの原因となります。
 例えばお子さんの「しもやけ」も「末梢循環不全型」冷えの症状になります。
 成分に含まれています「茯苓」「蒼朮」「沢瀉」は乳水剤ですので乾燥したお肌に水分も潤してくれます。

3)当期四逆加呉しゅゆ生姜湯
 お子さんで「しもやけ」や「手足の冷え」の症状が強い場合に効果があります。
 呉茱や細辛が入っていますので体をより温めて末梢の血流を良くします。
 小さなお子さんには少し飲みにくい漢方薬です。
 「末梢循環不全型」の冷え症に効きます。
 

小児の急性発熱感染症と漢方薬治療
急激に発熱を示してくるのが小児の感染症の特徴ですが、
                              この時にとても役立つ漢方薬があります。

@麻黄湯
  麻黄湯と言いますと「インフルエンザ」を思いおこす方が多いかと思いますが、「インフルエンザ」以外でも効果を発揮します。
麻黄湯は杏仁、桂皮。麻黄、甘草の4つの生薬成分から成り立っています。
この中の、「麻黄」と「桂皮」は体の中から外にむかって「水分」を移動させて体の表の水を排除する生薬で発汗を促す作用があります。
発熱でぐったりしている時に汗をかかせて熱を下げる作用をもっているのです。1日3回の処方でも初回は2回分と多めにのむと早く熱が下がります。
この時の使用のポイントは「寒気」(悪寒)が必ずあることです。
発熱があっても「寒気」(悪寒)がない時は使えません。
発熱していて体の表面に「寒気」(悪寒)があるというのは「表寒」の状態で、これを改善するのが「麻黄湯」です。さらにこの時2つ目の使用のポイントは脈がしっかりと触れること「浮脈といいます」も必要です。逆に発熱があっても脈が弱く触れるかほとんど触れない場合は「沈脈」といいまして体の裏側(内側)が冷えていることが多い「裏寒」の状態なのでこの場合麻黄湯は使えません。
「麻黄湯」の成分の「杏仁」は腫脹したものの腫れをとる作用がありますので発熱に伴う関節痛や頭痛に効果があります。
「麻黄湯」の成分の甘草は脱水の補正をになっています。

A麻黄附子細辛湯
「裏寒」の時には裏側だけではなく表も冷えていることが多くあります。「裏寒」のタイプの患者さんは感染しても発熱しないことが多いので注意が必要です。お子さんや老人や若い人に見られることがあり、その時は「麻黄附子細辛湯」を使いますと良くなります。「寒気」(悪寒)があって脈が弱く触れるかほとんど触れない「沈脈」が処方の良い使用目標になります。

B葛根湯
麻黄湯と同様に麻黄と桂皮入っていますので発熱がありぐったりしている時に汗をかかせて熱を下げる効果は似ています。
麻黄湯との違いは
1)葛根が入っているので「うなじの凝り」を改善させる作用があります。
2)芍薬が入っているので鎮痛、鎮けい作用があります。頭痛や筋肉痛、関節痛、腹痛にも効果があります。
3)生姜、大棗、甘草が入っているので胃薬の効果がありますので麻黄湯で胃の調子が良くなくなる方には葛根湯の方がより良いでしょう。
4)麻黄湯の方が構成生薬の数が少ないので重い発熱には葛根湯よりも「切れ味」が良いと考えられます。

急激な発熱のお子さんに漢方薬は効果がありますが次の点に注意が必要です。
急速な発熱疾患には、インフルエンザが典型例ですが、インフルエンザには溶連菌感染症が合併することがかなり多くみられます。
溶連菌感染症の主な症状は発熱、頭痛、喉の痛みや全身の倦怠感や関節痛と様々でインフルエンザに似ていますが典型的なものでは写真にみられますような「発疹」と「イチゴ状舌」が見られます。
「発疹」は細かい赤いものが多く主に「体」にみられますが「手」や「足」にみられることもあります。
「イチゴ状舌」は文字通りイチゴの表面の皮のように舌がブツブツと赤くなるものでどちらも溶連菌に特徴的なものです。
「発疹」や「イチゴ状舌」が見られない溶連菌感染症もありますのでインフルエンザの症状を訴えるお子さんはインフルエンザの検査と一緒に溶連菌の検査して確認するのが良いでしょう。
インフルエンザに溶連菌を併発している場合は漢方薬だけではなく抗生剤の内服が必ず必要になるからです。

小児のぜん息と漢方薬治療
ぜん息の症状に応じて次の様にそれぞれ漢方薬の使い方が異なります。

@麻杏甘石湯
お子さんのぜん息の発作が急性期で症状が重い時(咳がひどくて眠れない、咳とともに吐いてしまう、咳き込みがひどいetc)には、麻杏甘石湯を服用しますと発作が急速に改善されます。
ぜん息の急性期では肺の気管支が腫れてむくんだ状態になっています。麻杏甘石湯に含まれる「麻黄」と「石膏」の組み合わせが、むくんだ気管支の水分を体の内側に移動して尿に出して、むくみをとる作用をもっています。
また、同じく含まれる「麻黄」「杏仁」の組み合わせは腫脹した気管支の腫れをとる作用を持っています。
すなわち、「麻黄」と「石膏」と「杏仁」の成分が発作が重い時のぜん息の気管支の状態を急速に改善してくれるのです。ステロイドの内服に近い効果と言えます。
ポイントは、ステロイドの内服と同様に「短期に使用」して中止するのが良いでしょう。
点滴からステロイドと水分を十分に補充した後に、麻杏甘石湯を開始する治療も有効です。内服で麻杏甘石湯とステロイドを併用しても有効です。

A神秘湯
「麻黄」と「杏仁」が含まれていますのでぜん息の発作で腫脹した気管支の腫れをとる作用をもつ薬です。
「柴胡」が入っていますので、胸のあたりに何らかの症状(胸が痛い、胸が苦しい)である「胸々苦満」と言ったお子さんの自覚症状を改善する作用ももっています。
さらに、「厚朴」「陳皮」「蘇葉」といった成分は、元気がない症状を改善します。「柴胡」にも同じように元気を出す効果があります。
ぜん息の発作が少しおちつかないお子さんで、発作を起こすと精神的に元気がなくなるようなお子さんにとても向いているお薬と言えます。この意味では、心因性咳嗽にも効果が期待できます。
長期に使用しても、短期使用でもどちらにも使えるお子さんのぜん息のお薬です。

B麦門冬湯
咳き込んでしまうような発作性の咳が良く出るお子さんに良いお薬です。お子さんのぜん息で特に乾いた(咳のからまない)咳に良く効きます。
咳き込んでしまう咳とともに嘔吐する状態は、ぜん息の中でも「気のめぐり」が頭にのぼりすぎている「気逆」というものです。 この中に含まれる「麦門湯」「人参」「米更米」「甘草」「大棗」は、気を静めるお薬です。気が静まることで発作性の咳が良くなります。お子さんには、「気逆」のぜん息の方が意外に多くみられて、このお薬が良く効きます。 「半夏」は胸に水がたまった状態をかわかす作用のあるお薬で「吐き気」「嘔吐」「咳」「痰」に効きます。 「半夏」は乾かす作用をもっていますので「のどの渇き」がない時に使えます。舌を見て、乾燥していたら使わないようにしましょう。
麦門冬湯は、継続的に内服しても大丈夫なお子さんのぜん息のとても便利なお薬です。

C清肺湯
ぜん息のお子さんが、気管支炎や肺炎にかかった後に病状が良くなってきたのに、痰のからむ咳がどうしても残ってしまって良くならない時に治すのが「清肺湯」です。痰が多い咳に内服しますと、痰がとれてスッキリ治ります。肺を清めるお薬です。1〜2週間の内服で十分です。

D竹じょ温胆湯
咳が出ていて、イライラしていて安眠の出来ない咳に効果があります。

E半夏厚朴湯
ぜん息のお子さんが、咳ほどではないけれども「ウッ」「ウウ」と咳ばらいをしたり、喉がつかえる感じがしたりとか、喉から前胸部の中心にかけてへんな感じがしたりするとか違和感がすると訴えることがあります。
お母様はぜん息発作と思ってクリニックに来院されるのですが、お子さんにどこが調子が良くないとお聞きしますと、前述のようなお答えがかえってきます。
このような時は、ぜん息発作というよりも何かのストレスをうけて気持ちが元気がなくなるような状態「気うつ」でおこっている症状ですので、半夏厚朴湯がとてもよく効きます。
半夏厚朴湯の中には紫蘇葉、厚朴といった「気うつ」に効く成分が入っています。また生姜も入っていまして気分を発散させて「気うつ」を改善させます。
半夏は胸に水がたまる状態の時にそれを乾かす作用がありますので悪心や嘔吐や痰にも効果があります。喉がつかえて悪心があり咳や痰があるといったお子さんに効きます。
半夏は乾かす作用のある成分ですのでのどのかわきがない時に使えるお薬です。
茯苓はめまいや動機を治す効果がありますので、喉がつかえて「気うつ」があってさらにめまいや動悸があるお子さんにも効きます。
ぜん息のお子さんは意外にデリケートな方が多くいますので「気うつ」でぜん息に近い症状が出るものと考えられます。

小児の多形滲出性紅斑と漢方薬治療 
小児の難治性皮膚疾患の中に多形滲出性紅斑(以下EEMとします)があります。 EEMは意外と治療に難渋する皮膚疾患ですが赤みのある急性期では「ツムラ白虎加人参湯」がとても良く効きます。 EEMは急性期は浮腫状の紅斑が大小不同に見られて、一部は中心部の色が抜けた状態のドーナツ様の紅斑を呈します。この時のEEMは見た感じは真赤に腫れていまして、触ってみますと熱感を感じます。このEEMの赤い腫れと熱感をとるのに白虎加人参湯に含まれる石膏が大いに役立つのです。 石膏は冷やす効果のある生薬です。石膏は白虎加人参湯以外のツムラの漢方薬にも含まれる生薬ですが白虎加人参湯の石膏の含有量はその中で最も多い15gが入っています。 石膏と知母が入っている白虎加人参湯は力強く冷やす最強のコンビです。また、米更米も入っていますので、甘い味がしてお子さんでも飲みやすいのが白虎加人参湯の良いところです。 EEMに白虎加人参湯を内服しますと速効性がある漢方薬ですので、EEMの紅斑が早ければ1週間くらいで消えてきます。初めは完全にEEMの紅斑が消えるまで白虎加人参湯を内服する必要があります。内服してから紅斑が減ったけれどもまだ残る時には、そのままの量で内服を長くする方法と内服量を増量して継続する方法があります。初めの治療で紅斑の減り方が少ないお子さんでは早めに増量するのが良いでしょう。 EEM発症からの期間が長いお子さんでは、白虎加人参湯を短期間ではなく1週以上の長期単位で治療を継続することが必要です。

小児の難治性のじんま疹と漢方薬治療 
白虎加人参湯は多形滲出性紅斑(以下EEMとします)に効きますが難治性のじんま疹にも効くことがあります。難治性のじんま疹では、EEMとは異なった紅斑様の発疹が多発して、消えては出るを繰り返しますが、通常の西洋薬が効果がみとめられない時に効果があるのが白虎加人参湯です。この時もEEMの時と同じで発疹が完全に消えるまで内服が必要です。

小児の熱中症と漢方薬治療 
白虎加人参湯は石膏と知母が入っている最強の冷やす効果のある生薬ですので、皮ふ以外には、熱中症を起こした時にも使えます。熱中症で、体が熱くなっている状態を白虎加人参湯の石膏と知母が冷やし、人参、米更米、甘草が脱水補正に働きます。一番いいのは熱中症を起こしたお子さんでは、点滴と併用して白虎加人参湯を飲むと症状が早く改善します。出先で熱中症を起こしたら、すぐに白虎加人参湯をスポーツ飲料か水で内服するだけでも応急処置にはなります。

小児のアトピー性皮膚炎と漢方薬治療
小児のアトピー性皮膚炎は通常はステロイドの塗り薬をしっかりと充分量を必要な日数塗リますと、基本的にはかなり重症でも良くなります。
ところが重症のアトピー性皮膚炎の中には、上記の治療だけでは不十分なお子さんが見られます。このような時に漢方薬の内服を併用するととても良くなります。

@皮膚が真っ赤になってカサカサした状態の重症のアトピー性皮膚炎では皮膚の赤みを改善しないと良くなっていきません。このような時には次の二つの漢方薬が効果があります。
1)白虎加人参湯
体を冷やす成分の最強コンビの石膏と知母が入っているのでこの作用によって皮膚の赤み(皮膚のほてり)がとれてきます。
白虎加人参湯に含まれる石膏の量は他の石膏が含まれる漢方に比べて15gと最も多く含まれていますので冷やすという事には最適です。
顔が真っ赤になっているアトピー性皮膚炎には特に良く効きます。皮膚の赤みが改善しますと皮膚のカサカサも良くなっていきます。
まず、赤みが良くなるまで白虎加人参湯の内服を続けてることが大切です。白虎加人参湯は速効性のあるお薬ですので皮膚の症状が特に早く良くなっていきます。
2)消風散
白虎加人参湯に比べますと冷やす役割の石膏の量は少ないお薬ですが石膏と知母という最強の冷やすコンビがこれにも入っていますので、消風散は皮膚の赤みは真っ赤というよりは赤みが中等度で皮膚がカサカサしているアトピー性皮膚炎に効きます。
消風散には皮膚の赤みを改善する石膏に加えてカサカサとこわれた皮膚の組織の修復をになう当帰や地黄や胡麻といった成分が含まれています。
皮膚の赤みを改善して、皮膚のカサカサを改善するのがこのお薬です。アトピー性皮膚炎の皮膚では傷が多いので細菌が入りやすく「とびひ」になりやすい傾向にあります。
消風散には排膿を発散させる荊芥、防風を含んでますので「とびひ」(伝染性膿痂疹)の予防にもなります。

A皮膚の赤みは見られませんが、皮膚のカサカサと乾燥やかゆみが強い時には次のお薬が良く効きます。
1)当帰飲子
皮膚がカサカサと乾燥して、例えば手の皮膚がヒビ割れをしたり、手の指の先の皮がむけたり、爪が割れやすかったりとしたようなアトピー性皮膚炎に効果があります。
このお薬は当帰、川きゅう、芍薬、地黄といったこわれた皮膚の修復をになう成分が主に含まれています。
カサカサしすぎた皮膚を修復することでかゆみを抑えることになるのです。使用のコツは皮膚に赤みがないことがポイントです。
2)当期芍薬散
手の指先のヒビワレや爪が割れるといった末梢の乾燥の強いアトピー性皮膚炎に効きます。
手の指先や足の指先や爪の末梢の血流が不足した「血虚」の状態のアトピー性皮膚炎に効果があります。不正出血や月経痛などの出血をして血虚になっている時にも使えるお薬です。
使用のコツはやはり皮膚に赤みがないことがポイントです。

Bアトピー性皮膚炎のお子さんで手や手の指の難治例の方には「手汗」「手のほてり感」が原因のことがあります。このような時には次のお薬が効きます。
1)三物黄苓湯
手のアトピー性皮膚炎が治りにくいお子さんでは、意外にも「手汗」「手のほてり感」「足汗」「足のほてり感」がみられることがあります。
これらは多汗症の様な状態ですが、実は手足のほてり感やほてってわずらわしいという症状は「気の異常」(気うつ)によるものでストレスが原因であるサインなのです。
この場合は、ステロイドの外用薬をいくらしっかり使用しても皮膚の赤みや乾燥を改善する漢方薬を内服しても効果がありません。
この時は「三物黄苓湯」の内服で「気の異常」(気うつ)を改善して手足のほてり感や手足の汗の症状を良くしておかないとアトピー性皮膚炎の治療がうまくいかないので注意が必要です。
このお薬に含まれる黄苓が気うつの「手足のほてり感」に効果があります。また、このお薬に含まれる地黄や苦参は静熱薬ですので体の裏側の熱(裏熱)をとる作用があります。

C黄耆建中湯
アトピー性皮膚炎で乾燥肌で皮膚がかゆい時に効果があります。
1)桂皮は発汗作用と体の表面を温める作用があります。
 もともと汗をかきにくいアトピー性皮膚炎で皮膚の血流がよくなり乾燥状態に効きます。
2)お子さんは本来お腹の調子がわるい脾虚の状態がありますので芍薬は腹痛を治して、お腹の状態を良くする作用があります。
 アトピー性皮膚炎はお腹の状態が良くなるとお肌の状態も良くなります。
3)黄耆は「ねあせ」に使うお薬です。
4)膠飴は甘いアメの成分で安神の作用(気分を落ち着かせる作用)があります。
5)生姜、大棗、甘草は胃薬です。
6)アトピー性皮膚炎で「水イボ」を繰り返すお子さんに使用しますと「水いぼ」が減少します。
   

小児の肛門周囲膿瘍と漢方治療
肛門周囲膿瘍は主に赤ちゃんのおしりの周囲に出来るオデキですが、次の漢方薬が効果があります。

1) 排膿散及湯
肛門周囲膿瘍が真っ赤に腫れて膿をもっている急性期の時に良く効くお薬です。 このお薬は桔梗や桔実といった成分が入っていまして、これがたまった膿を排泄するのです。 使用のコツは真っ赤に腫れていることです。内服は真っ赤な腫れがとれるまで継続します。 排膿散及湯は膿を排泄するのがこのお薬の特徴なので、扁桃炎の時にのどに膿がたまっている時にも効果があります。 またこのお薬には甘草という甘みの成分も入っていますので、扁桃炎ののどの痛みを緩和させてくれます。

2) 十全大補湯
肛門周囲膿瘍が真っ赤になる急性期を過ぎまして、腫れが残っている時に良く効くお薬です。 このお薬は気虚と血虚に使うものですが肛門周囲膿瘍では気虚による皮膚や粘膜のバリア機能の低下を改善し、血虚による慢性化膿性炎症を 改善する効果が期待できます。 このお薬は肛門周囲膿瘍の腫れが完全に触れなくなるまで内服が必要です。 再発性肛門周囲膿瘍を治すコツにもなります。

小児の下痢と漢方治療
〜小児の下痢と漢方治療〜
下痢のタイプによって効く漢方薬に違いがあります。

@五苓散
健康なお子さんでは体の中に均等に水分が存在しています。ところが、バランスが崩れて例えばお腹に水分が偏ってしまいますと下痢になるのです。
このように体の一部に水分の偏りが出来てしまうことを漢方では「水毒」といいます。この状況を治すのが「利水剤」である「五苓散」なのです。
使うコツは、お子さんの舌を見て乾いていないことが必要です。水分は飲みたがるのに舌が渇いていなくておしっこが少ない下痢に使うと良く効きます。
何故、舌を見る必要があるかといいますと舌が渇いていたら「水毒」ではなく「脱水症」になっていますので点滴治療が必要になるからです。
五苓散は脱水症のない時の下痢に使えるのです。下痢の原因に食中毒のように細菌性の下痢では五苓散に併用して食中毒の原因菌である病原性大腸菌や サルモネラ菌やキャンピロバクターなど退治する抗生剤を併用すると良いでしょう。もちろん脱水症があれば点滴も必要です。 お腹だけでなく頭にも水分の偏りが出来ますと下痢を加えてめまいや頭痛の症状が出てきます。これらの症状を改善する利水剤の成分が入っていますので めまいや頭痛にも五苓散は効果があることがあります。

A猪苓湯
「口が渇いていていて」、「吐き気がなくて」、「症状がひどい下痢」に効きます。
重症の下痢に効きます。(抗生剤を併用しても良いでしょう。)
この中に含まれています「猪苓」は感染性の胃腸炎や食中毒の下痢を治す効果があります。
この中に含まれています「阿きょう」は止血剤として働きますので「出血を伴なう下痢」や「出血性の膀胱炎」にも効果があります。
もちろん、出血がなくても下痢がひどければ「猪苓湯」は効果があります。
出血がみられる炎症性の腸疾患(例えば、クローン病の軽症)にも効果があります。
とても良いお腹のお薬なのですが、唯一「吐き気」は治せませんので注意しましょう。

B半夏瀉心湯
「口が渇いていなくて」「吐き気のある」下痢に効きます。
かわかす作用のある「半夏」が入っていますので「口渇(のどのかわき)がない時」に使えます。
この中に含まれています「黄連」「黄苓」は下痢に効果がありますし、下痢に加えて元気がなくてみぞおちあたりが痛かったり、すっきりしない症状(心煩)にも効きます。
この中に含まれています「乾姜」は「吐き気」や「嘔吐」に効果があります。

C真武湯
クーラーをつけたままで「寝冷え」して起きた下痢や、冷たいものを飲んで起きた下痢に効果があります。
このようにお腹が冷えて起きた下痢にはこの中に含まれています「附子」がお腹を温めてくれることで効いてきます。
下痢で手足が冷えた時に使うと良いでしょう。
夏場における「冷え」の下痢にはとても便利なお薬です。
「附子」が入っていますのでこのお薬を使う目安としては脈が沈んで弱い時に使うと良いでしょう。(逆に脈が浮いて強い時には使えません。)

ツムラ柴苓湯 (サイレイトウ)
アレルギー性(血管性)紫斑病(シェーンライン・ヘノッホ紫斑)に効果があります。
紫斑病は主に足の前面に赤紫色の出血斑(紫斑)がみられる病気ですが、強い腹痛や強い関節の腫れや痛みが出てくることがしばしばあります。
入院を必要とすることが多い病気ですが柴苓湯とステロイドの内服を服用しますと外来でも治ることがあります。

ツムラ芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)
夜泣きの症状のあるお子さんに内服していただくととても短期間に症状の改善がみられます。
本来は足が痙攣したりそれで痛みがでるなどの筋肉の痙攣を改善するお薬ですが意外と夜泣きにも効果があります。
ひょっとするとこのお薬が効くタイプのお子さんは夜泣きの原因に何らか痛みや痙攣に関連する素因があるのかもしれません。
夜泣きの代表的な漢方薬である甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)や抑肝散(ヨクカンサン)が効きにくいタイプの夜泣きのお子さんによいでしょう。

ツムラ苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)
@朝起きられない
Aめまいがする
B頭がくらくらする
C頭がぼーっとする
D立ちくらみがする
などの起立性低血圧を思わせるような症状のお子さんに効果があります。
また起立性低血圧のお薬をすでに飲まれていて上記症状が改善しないお子さんにもこの漢方薬は効果があります。

めまいの症状で他に効果のある漢方薬として
@真武湯(シンブトウ)
歩くとめまいがする・フラッとする・クラっとする・雲の上を歩いているような感じがするなどめまいに効果があります。
水回りと冷えを改善するお薬でもありますので「しもやけ」にも効果があります。

A五苓散(ゴレイサン)
回転性のめまいの効果があります。

ツムラ呉茱萸湯(ゴシュユトウ)
次の3つの症状のある患者さんによく効きます。

@頭痛
A吐き気
 頭痛の時に吐き気のあるかたです。これは体の下のほうから上の方にものが上がってくる気逆のサインなのです。
B足の冷え 
 頭に気が充満に熱くなりますので顔が赤くなり足に気がなくなるので足が冷えてくるのです。
いわゆる冷えのぼせです。
また上記の症状のある方は足と同様にお腹も触れると冷たいことがあります。
これも特徴です。このお薬はあまり美味しくない味がするのが難点ですが、患者さんがこれを飲めるならよく効きます。
このお薬がまずくて飲めない患者さんは効きませんのでわかりやすいところもあります。

嘔吐と下痢と腹痛と漢方薬治療
嘔吐と下痢と腹痛と漢方薬治療
(五苓散による注腸治療)

@嘔吐・下痢・腹痛を訴える胃腸炎がとても流行しています。

Aこのような症状の時に五苓散という漢方薬をお湯に溶かしてお尻から注腸して入れてあげますと、症状がとても早く改善します。

B五苓散は本来は胃腸炎の飲み薬として、よく使われますが胃腸炎の症状が強い時にはお尻から注腸して入れてあげますと、内服よりもより速く症状が改善します。

C五苓散の注腸が最も良く効くのは嘔吐です。早ければ注腸して15分後には嘔吐はなくなっています。

D五苓散の注腸は胃腸炎に伴う、食欲不振や吐き気・元気のない症状とか顔色不良の症状にもすみやかに改善しますので、お子さんもとても薬な状態になります。

E五苓散の注腸はお子さんの胃腸炎による脱水を初期の段階で予防できることが多いのです。

F五苓散の注腸を下痢をしているお子さんにしますと、下痢が止まります。
注腸したのにもかかわらず注腸後に下痢が増えることもありませんし、下痢をして注腸した五苓散がお尻から出てくることもないのです。

G五苓散は胃腸炎によるお腹の中の水回りのエラーを改善する作用がありますので、内服に比べて注腸でより速く腸の中に入れてあげることで症状がとても良くなるものと考えられます。

H五苓散が胃腸炎の時の点滴の代わりや補助になることは充分ありうるでしょう。

ツムラ黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)
@繰り返す口内炎やヘルペスにとてもよく効きます。
症状の出始めから口内炎やヘルペスのお薬と併用して内服していただきますと、軽くすみます。

A帯状疱疹で難治例によく効きます。
通常の治療で改善しない難治性の帯状疱疹に効果があります。もちろん帯状疱疹のお薬と併用で始めから内服しても大丈夫です。

ツムラ真武湯(シンブトウ) 
お子さんの「しもやけ」によく効きます。
「しもやけ」は冷えに伴なっておこる血流障害ですので、このお薬で体を温めてあげまると血流障害が改善して良くなります。

神秘湯(シンピトウ)
お子さんの「ぜん息」に良く効きます。特に「ぜん息発作」がひどい状態や「ぜん息発作」が少し改善した状態のどちらにも効果があります。「ぜん息」のお子さんは、精神的にもデリケートで、ぜん息発作を起こしますと元気がなくなる傾向がありますが、このお薬はその部分を補って元気を出してくれる効果ももっています。

六君子湯(リックンシトウ)


食欲や元気が何となく無い状態のお子さんに内服していただくと症状がとても良くなります。
お腹の調子がすぐれず、精神的にも気力が不足しているお子さんに適している漢方薬です。

芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)


お子さんで下肢の震えがみられることがありますが、これは下肢の筋肉の痙攣のことがあります。
この状態を「ムズムズ病」や「レストレス症候群」といいます。
下肢の震えや痛み・ムズムズ感・違和感の症状が出まして、お子さんはとても気になります。
このような時に芍薬甘草湯を飲んでいただきますと、この薬の中に筋肉の痙攣を抑える成分が入っていますので劇的に効果があります。

治頭瘡一方(ヂヅソウイッポウ)
お子さんで体の中で部分的に痛みが強い場合に、その痛みを改善するのにとても効果があります。
例えば自転車に乗っていて転んで怪我をした場合に、骨折はないけれども腕に部分的に腫れや痛みや圧痛が強い時には痛みを改善する薬として良く効きます。
リンパ節炎でリンパ節が腫れてとても痛くて圧痛強い時も同時に良く効きます。
頭痛にも効果があります。腫れた事による痛み(腫通)にとても良く効くお薬です。

越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)
お子さんのアレルギー性鼻炎(花粉症)で、すでにお薬を飲んでいるにもかかわらず鼻づまりの症状が強くて夜眠れないお子さんに内服していただくと、とても良く効きます。
もちろんお母さん方で同様の症状の方にも良く効きます。
鼻づまりがひどいアレルギー性鼻炎(花粉症)では、鼻の中の粘膜の腫れがとても強いので、この腫れを改善する成分が越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)に入っていますので効果があるのです。

猪苓湯(チョレイトウ)
下痢がひどい胃腸炎や出血を伴なった下痢に効果があります。
お腹の中の出血を止めて、下痢も改善させる働きがあります。
食中毒などの重症の胃腸炎にも効果があります。
胃腸炎の抗生剤と併用しますとより一層効果があります。

半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)
下痢や悪心(吐き気)や嘔吐が強くみられる時に内服すると症状が改善します。
みぞおちの不快感がある下痢にも効果があります。

排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)
皮膚に膿みがたまっている時に飲むと、皮膚の膿みの排出が促進されて皮膚の改善が良くなります。
何らかの細菌が皮膚に入って赤みのある膿みにはよく効きます。
膿みの排出を促進しますので、扁桃炎で扁桃腺に膿みがたくさんある場合にも効果があります。

白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)
白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)
お子さんの皮膚に強い発赤がみられた場合にとても効果があります。
例えば、
@赤ちゃんで顔や眼の周囲の発赤が強いアトピー性皮膚炎のお子さんに大変効果があります。
Aツムラ消風散(22)を飲まれても改善しない皮ふの発赤にはこのお薬が効きます。
B皮ふに発赤が強くみられますと、お子さんはその部分がとてもかゆくなり、結果として皮ふのかきこわしが起こってしまいお肌がなかなかよくなりません。


荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
お子さんのお肌に発赤や傷、膿みがみられる時にそれらを改善するのによく効きます。
例えば

@アトピー性皮ふ炎でお肌に発赤が見られていて、ひっかき傷がひどく膿みを伴った「とびひ」を合併しているお子さんがこのお薬を飲みますと、お肌がとてもよくなります。
特に顔のひどい重症のアトピー性皮ふ炎で効果があります。

A副鼻腔炎(ちくのう症)が治りにくいタイプのお子さんにとても効果があります。
副鼻腔炎では、鼻の中の排膿と粘膜組織の修復が重要ですが、このお薬はその働きを担っています。
鼻水が治りにくく、鼻粘膜に膿みがついているような鼻炎にも効果的があります。

消風散(ショウフウサン)

お子さんの肌の発赤を改善して、お肌の傷や乾燥状態を改善する効果があります。
例えば、
@アトピー性皮膚炎で赤みの強い発疹と乾燥した発疹とかきこわれの傷の発疹がみられる場合によく効きます。
Aじんま疹や多型滲出性紅斑(特殊なじんま疹)で、お肌の発赤が強いお子さんに非常に効果があります。

小柴胡湯(ショウサイコトウ)

「過換気症候群で胸が苦しく息ができない時」や、「喉のつかえ感が取れなくて気になる」など、胸の自覚症状が強いお子さんに効果があるお薬です。
胸の様々な症状は、一種のストレスから症状を訴えていることが多く、元気がなく少し落ち込んでいる状態の時に出やすい傾向があります。
お薬でお子さんの心の負担を早く楽にしてあげることが大切です。

四物湯(シモツトウ)
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)より効果を高めたお薬です。
肌の乾燥や重症のアトピー性皮ふ炎に効果があります。
肌に潤いをもたらす効果が優れていて、乾燥が強いタイプのお子さんに適しています。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
体やお腹の中など、部分的に血流の良くない状態のお子さんに効果があります。
例えば、元気はあるけど何となくお腹が痛い、体調が良くない時に歯ぐきが腫れる、足が冷たいなどの症状のお子さんに効果的です。
お腹の痛みの特徴として、おへその上や下側、斜め下側を痛がったり不快感があったりします。

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
「爪が割れやすい」「皮ふがカサカサと乾燥しやすい」「しもやけ」といった、指先や爪の血行が不十分なときに飲んでいただくと効果があります。
体の末端はもともと血流があまり良くない所ですが、最近のお子さんはこの部分の血流がさらに不十分となっているために、爪や皮ふの症状が出るのです。
これらの症状はぬり薬だけでは改善しませんので、内服薬がおススメです。
アトピー性皮ふ炎のお子さんに飲んでいただきますと、何より皮ふにうるおいが出て、改善がみられます。
また、頭皮の血流が不十分なタイプの円形脱毛症にも効果があります。

麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)
ぜんそくの症状が重く(咳がひどい、咳込んで嘔吐する、呼吸困難があるなど)気管支が腫れている時に、この腫れをとるお薬です。
お子さんのぜんそく発作が急速に重くなった時に飲むと効果があります。
特に点滴治療が必要になるような重症のときに飲んでいただくと、症状が速く改善します。
このお薬は、短期に5〜7日程併用するだけで大丈夫です。

麻黄湯(マオウトウ)
インフルエンザなどの感染症で急激な発熱や、寒気がある時に飲むと効果があります。
発汗を促進して解熱させるお薬なので、発熱の初期に飲みますと、1〜2時間後に汗をたくさんかいて熱が下がります。

葛根湯(カッコントウ)
麻黄湯と同じような症状の時に飲むお薬ですが、上記の麻黄湯の症状に加えて首が凝る、首が痛いなどの症状がある場合には葛根湯のほうがより効果的です。
胸や背中の痛み、頭痛が一緒にみられる時にも効果があります。

麦門冬湯(バクモンドウトウ)
・主に症状の改善の難しいタイプの「ぜん息」や「咳ぜ
ん息」に飲んで頂くと効果があります。
飲み始めの早い段階から咳の症状が著明に改善し
ます。
・ぜん息の飲むお薬(ロイコトリエン拮抗薬:キプレス
やオノンetc)や吸入ステロイド薬を併用すると効果が
あります。
・乾いた咳のぜん息のお子さんに適しています。

五苓散(ゴレイサン)
・下痢や嘔吐の胃腸炎の時に飲んで頂くと効果があり
ます。特に嘔吐の多い胃腸炎では良く効きます。
胃腸炎で喉の渇きがあるお子さんに良く効きます。
・細菌性の胃腸炎では、胃腸炎の抗生剤と併用して
飲んで頂くと効果があります。
・おしっこが近い頻尿や夜尿のお子さんに効果があります。
・なかなか治りにくい慢性頭痛のお子さんに効くことがあります。


甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)
・夜泣きの赤ちゃんや小さいお子さんに良く効きます。
甘いお薬なので小さいお子さんでも飲めます。
・寝つきの悪いお子さんや睡眠のリズムが少しズレて
しまっているお子さんにも効果があります。
・落ち着きのないお子さんにも効果があります。
・このお薬で症状の改善の少ないお子さんは、
次の抑肝散(ヨクカンサン)が効果があります。

抑肝散(ヨクカンサン)
・夜泣きのひどいお子さん(例えば甘麦大棗が効かな
いタイプのお子さん)に良く効きます。
・落ち着きのないお子さんに効果があります。
・夜よく寝つけないなどの睡眠のリズムが乱れたお子さ
んに効果があります。
夜寝るのが遅いお子さんは興奮していることが多いの
で、このお薬で興奮をしずめてあげると、睡眠の質が
改善します。
お子さんは早寝・早起きがベストな睡眠リズムです。
・オシッコが、やたら多いお子さんも効果があります。
(例えば一時間に6回くらいオシッコに行く、今オシッコを
したばかりなのに、またすぐにオシッコに行く)などのお
子さんに効果があります。
・難治性のじんま疹に効果があることがあります。
通常の難治性じんま疹のお薬で効果がないお子さ
んに使用すると効果が出ます。
この場合、通常の難治性じんま疹の飲み薬に追加
すると効果が良い印象をうけます。
・かんが強すぎて、お母さんの言うことを聞けないお
子さんや反抗ばかりしてしまうお子さんにも良いで
しょう。

黄耆健中湯(オウギケンチュウトウ)
・水イボを繰り返しているお子さんに飲んでいただくと水イボの増えるのが止まります。
水イボの数がやたら多いお子さんにも効果があります。
薬で水イボが増えるのを抑えておいて、今ある水イボを摘除して取り去るのが良いようです。
・円形脱毛症のお子さんに著明に効く場合があります。
このお薬が効くタイプおお子さんは、飲み始めの比較的早い時期(2週間目くらい)から改善がみられますが、
長めに服用します。この場合も外用薬の併用も必要です。
・アトピー性皮膚炎で効果があるお子さんもいます。
・アレルギー性鼻炎に効果があります。

大建中湯(ダイケンチュウトウ)
・便秘のお子さんに効果があります。
特に「裂肛」(レッコウ)と言って肛門のところに放射状の亀裂が出来るタイプの便秘は重いことが多いので服用してみるとよいでしょう。
・通常の便秘のお薬と併用しても大丈夫です。
・おしりのところに出来る突起物で「見張りダコ」というものがみられることがありますが、この場合も便秘があるといきんでしまい
「見張りダコ」がかぶれたり傷ついたりするので、その予防に効果があります。
 

小建中湯(ショウケンチュウトウ)
・もともと体の弱い、虚弱体質のお子さんに効果があります。
・よく「お腹が痛い…」と頻繁に訴えるお子さんのお腹の痛みを改善します。
・体重の増えが良くないお子さんの体重を増やす効果があります。
・食が細いお子さんの食欲を増進させる効果があります。

十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)
・赤ちゃんのおしりの周囲に出来る「肛門周囲膿瘍」というオデキのようなものがありますが、この場合に服用すると改善します。「肛門周囲膿瘍」は再発を繰り返しますと、症状によっては手術が必要になります。早めにこの薬を服用して治すことが大切です。

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