アトピー性皮膚炎

意外なアトピー性皮膚炎の治療の誤解!

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大阪府済生会中津病院
  末廣 豊先生 講演会より

*0才の時の皮ふをきれいにすることが、その後のぜん息の発症の予防になります。
1才過ぎのお子さんでは、かゆみ止めを早期に使用することで、その後のぜん息を起こしにくくすることができます。

 

*乳児の早い時期から食物を食べていくことで、食物アレルギーを起こしにくくすることができます。
アトピー性皮ふ炎でも、離乳食は生後6ヶ月から通常通りに開始したほうが良いでしょう。
食物アレルギーを気にしすぎて、アトピーの赤ちゃんの離乳食の開始を遅らせるのはかえって良くありません。

 

*アトピー性皮ふ炎のお子さんをお持ちのお母さんが最もストレスを感じるのは、お子さんの皮ふの「掻き破り」をみることです。
重症のアトピーでは、ぬり薬を十分にぬれていないと感じるお母さんが多く、そうしたお母さんほどお子さんの「掻き破り」をみてストレスを感じています。
多くのお母さんが、お子さんの「掻き破り」を止めさせることが最も難しいと感じています。
「掻き破り」のひどいお子さんに対して、叱ってしまうことが多い傾向にあります。

 

*ステロイドのぬり薬をぬれていないと感じるお母さんは、ステロイドに対しての不安を感じている事が多いようです。
ステロイドを使うと皮ふが黒くなるという誤解がとても多くありますが、皮ふの炎症が慢性的におきているために皮ふが黒くなるのです。
つまりステロイドの影響ではなく、治療が不完全だと皮ふが黒くなるのです。

 

症状が重い急性期はステロイドのぬり薬をしっかり使用し、症状が落ち着いた維持期にはプロアクティブ療法(ステロイドを週に一日だけ使用したり、プロトピック軟膏を使って皮ふの良い状態を保つ治療法)
を併用するのが良いでしょう。

意外なアトピー性皮膚炎の治療の誤解!

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アトピー性皮膚炎が良くならないとクリニックに来られる方は意外にいらっしゃいます。
いくつか気が付く特徴があります。皆さんはいかがですか?

1、ワセリンを塗っているのにアトピー性皮膚炎がまったくよくないといわれるお母さんは……

a.アトピー性皮膚炎の皮膚の状態が良い時にワセリンやヒルドイドソフトなどの保湿剤を塗ってお肌のスキンケアをするのは正しい治療法です。

 

b.ところが、アトピー性皮膚炎の皮膚の状態が悪化している時に、ワセリンやヒルドイドソフトを塗っても効果はありません。
アトピー性皮膚炎が悪化している時には適切なステロイドの塗り薬を塗ってアトピー性皮膚炎の火事を鎮火してあげるとお肌は良くなります。

 

c.ステロイドの塗り薬を一週間ほど塗っていただいて、お肌が改善しましたらその次の週はステロイドの塗り薬とワセリンやヒルドイドの保湿剤を隔日で塗ります。
1日目はステロイドの塗り薬で2日目は保湿剤、3日目はステロイドの塗り薬、4日目は保湿剤といった形です。

 

d.一週間これを継続して、お肌が良い状態なら、今度はステロイドの塗り薬を1日塗って、2日目と3日目は保湿剤を塗ります。
これを繰り返していって、ステロイドの塗り薬が一週間に一日までに間隔があいて、お肌の状態が良いようでしたら今度は保湿剤の塗り薬のみをしてみます。

 

e.この間隔的にステロイドを塗っている時や保湿剤だけを塗っている時に、お肌に部分的にアトピー性皮膚炎が悪化した場合は、その部分にステロイドの塗り薬を1週間ほど塗ります。

 

f.基本はこれだけです。皆さんも試してみませんか。

アトピー性皮膚炎の管理

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~神奈川県立こども医療センター 馬場 直子先生講演会より~

①アトピー性皮膚炎とは~
a)かゆみのある湿疹です。
b)悪くなったり、良くなったりを繰り返しています。
c)生まれつきの素因をもっています。

②貨幣状の苔癬化型のアトピー性皮膚炎(island type)は、島状に部分的にアトピー性皮膚炎がみられているために
真菌(カビ)と間違われることが多いので、注意が必要です。

 

③アトピー性皮膚炎のお子さんの爪がピカピカ光っていたり、爪が短くなっている、爪を切ったことがないといったことがある場合は、お子さんはかなり頻回にお肌をひっかいているサインとなります。

 

④アトピー性皮膚炎の原因は
a)アレルギーが関与しています。
b)皮膚のバリア機能障害(お肌を守る力が、低下しています。)があります。
例えばドライスキン(乾燥肌)もその一つです。

 

⑤アトピー性皮膚炎の治療は
a)アレルギーの原因となるアレルゲンの回避です。
b)スキンケアです。

 

⑥スギ花粉で、顔にアトピー性皮膚炎が出るお子さんがいます。

 

⑦日光で日焼けして、顔にアトピー性皮膚炎が出るお子さんがいます。

 

⑧ドライスキンがありますと、かゆみを感じる神経が皮膚の浅いところに伸びてきて、かゆみを感じやすくなっています。

 

⑨アトピー性皮膚炎は、体の中でも出っぱっているアゴやオデコに湿疹が出やすい傾向にあります。

 

⑩アトピー性皮膚炎のスキンケアは

 

a)皮膚を清潔にするスキンケアが大切です。石けんで洗うことが重要です。
b)皮膚をこすりすぎると、皮ふのバリア機能が壊れてしまうので、基本はこすらず、優しく洗うことが重要です。
c)バスタブに浸かると、かゆみが増してしまい、皮膚を守っている皮脂膜も落としてしまうので、熱いお湯は避けて、シャワーが良いと思われます。
d)入浴後15分くらいで、保湿剤を塗ると良いでしょう。こすらず、優しく、たっぷりと塗ると良いでしょう。
e)保湿剤はお肌の「水分保持」、「バリア機能の補強」、「軟化しやわらかくする作用」があります。
f)尿素製剤の塗り薬は、お肌のバリア機能を破壊してしまうことがありますので、 アトピー性皮膚炎ではあまり使わない方が良いでしょう。
g)食物アレルギーも皮膚から食物が侵入しておこることが多いので、スキンケアは重要になります。
h)食物アレルギーも気道アレルギー(ぜん息)も、皮膚からアレルギーの原因であるアレルゲンが侵入しておこるのではないかと考えられています。
i)ピーナッツアレルギーは、母乳中のピーナッツではなく、家庭内のハウスダストの中のピーナッツ含有量によって食物アレルギーがおこっています。
j)アトピー性皮膚炎が重症のお子さんでは、ステロイドの塗り薬を塗った後にその上から亜鉛華単軟膏を重ねて塗り、その上からカーゼ等で被うと効果が上がります。
この様に湿疹の部分を被うことで直接かかなくすることが出来て、局所のひどい苔癬化や顔のびらんに効果があります。
k)重症のアトピー性皮膚炎では、初めにステロイドのぬり薬を使い、すこし良くなったらプロトピック軟膏へ変更すると良いでしょう。
さらに良くなりましたら、「プロトピック軟膏」か「ステロイドのぬり薬」を週1日だけぬり、残りの6日は保湿剤にする「プロアクティブ療法」が良いでしょう。
プロアクティブ療法とはアトピー性皮膚炎の再燃が少ない治療法ですので、より良いアトピー性皮膚炎の治療と言えます。
この治療をしたときには、最低でも6ヶ月は継続が必要です。
6ヶ月を過ぎましたら、週1日塗っていたプロトピック軟膏を止めてみて、アトピー性皮膚炎の症状が出てくる場合は継続が必要です。
症状が出なければそのまま中止して、保湿剤だけで良いでしょう。
l)1日2回の保湿剤をぬっておきますと、全く保湿剤をぬらないお子さんに比べ、アトピー性皮膚炎の再燃を抑制することができます。
お肌の調子が良い時でも、保湿剤を塗っておくことが大切です。

小児アトピー性皮膚炎によるProactive外用療法

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小児アトピー性皮膚炎によるProactive外用療法

国立成育医療センター ~大矢幸弘先生講演会より~

①アトピー性皮膚炎皮膚炎の外用療法(塗り薬)は、アトピー性皮膚炎の湿疹が改善した後でも間欠的にステロイドの外用薬を塗って皮膚が良い状態を維持したまま、徐々に保湿剤を塗る日を増やしていくProactive療法が大切です。
二歳以上のお子さんでは、ステロイドの外用薬の代わりに、プロトピック軟膏を顔につけるProactive療法も有効です。

 

②Proactive療法のほうが、湿疹が悪化した時だけステロイドの外用薬を塗るReactive療法よりもアトピー性皮膚炎の再発が少ないというメリットがあります。

 

③Proactive療法中に、アトピー性皮膚炎が急に悪化したら、ステロイドの外用薬を一定期間塗り続けて湿疹の改善をします。
その後、よくなってからProactive療法に戻ればよいのです。ここで重要なことは、Proactive療法で皮ふの良い状態を維持していた方が、アトピー性皮膚炎が再発した時にステロイドの外用薬やプロトピック軟膏の効果が良く出るという特徴があります。

 

④例えばステロイドの外用薬やプロトピック軟膏の外用薬を連日使用して、お肌がきれいになりましたら、一日おきにステロイドの外用薬やプロトピック軟膏の外用薬を保湿剤と交代(隔日)に塗り替えてみます。これでProactive療法の開始となります。この状態をしばらく続けて、お肌がきれいであれば2日おきにステロイドの外用薬やプロトピック軟膏を塗る方法に切り替えて、ゆっくりとステロイドの外用薬をプロトピック軟膏の外用薬を塗る期間を少しずつあけていきます。

 

⑤Proactive療法は伸長ののびは良いです。

 

⑥Proactive療法を進めていきますと、アレルギー反応の原因を示す総IgE値が次第に下がっていきます。

 

⑦Proactive療法治療を進めていきますと、卵や牛乳に対するアレルギー原因を持つ卵白IgE値や牛乳IgE値が次第に下がっていきます。

⑧すなわち、アトピー性皮膚炎のお肌をきれいに維持していた方が、食物アレルギーが改善するという効果があります。

 

⑨Proactive療法は湿疹がゼロになってから初めて開始するのが大切です。

 

⑩重症のアトピー性皮膚炎では、はじめはステロイドの外用薬を塗って、お肌がきれいになってからステロイドの外用薬をプロトピック軟膏を併用すると良い傾向があります。

 

⑪顔のアトピー性皮膚炎は、湿疹が消失したらプロトピック軟膏の外用薬のProactive外用療法を開始します。具体的には、ステロイドの外用薬を塗ってお肌が良くなったらプロトピック軟膏をしばらく塗って、その後間隔をあけてステロイドの外用薬を塗り、さらにその後、プロトピック軟膏に変更します。
これを繰り返していき、ステロイドの外用薬をプロトピックの外用薬を塗る間隔を少しずつのばしていきます。

 

⑫Proactive外用療法で最も大切なのは、ステロイドの外用薬やプロトピック軟膏の外用薬できれいになっても、その後も保湿剤を塗り続けることです。

小児アトピー性皮膚炎に対するProactive Therapyの有効性

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TARCを指標に加えた治療戦略

成育医療研究センター 大矢 幸弘先生講演会より

①かゆみによる睡眠障害は皮ふからの体液の漏出による成長障害がありますので、ステロイドの塗り薬が重要になります。

②成長期(30才以上)のアトピー性皮膚炎が増えています。
 アトピー性皮膚炎がこどもの病気だったのは昔のお話です。

③アトピー性皮膚炎は小児が34.7%・成人が65.3%の割合になっています。

④アトピー性皮膚炎が大人になると自然に治るというのは間違いです。

⑤1980年~1990年代のステロイドバッシング(ステロイドを使用しないでアトピー性皮膚炎を治すという考え方)全盛期時代のお子さんが成人になり、脱ステロイド療法を続けている結果として、治らずに苦しんでいる20代~40代の大人のアトピー性皮膚炎が多いのです。

⑥アトピー性皮膚炎は小児期に皮膚を良い状態に治療して、それを維持することが大切なのです。

⑦適切な強さのステロイドの塗り薬を、適時連日塗れば必ずアトピー性皮膚炎の発疹は消失するのです。

⑧ステロイドの塗り薬を塗っても良くならないケースは、アトピー性皮膚炎以外の病気の可能性を考える必要がありますし、あるいは入院治療が必要です。
アトピー性皮膚炎が重症な時には入院してしっかり治療するのです。

⑨Proactive療法
 1)初めにステロイドの塗り薬を塗ってアトピー性皮膚炎の皮膚の発疹を消失させてから、次は週に2回位ステロイドの塗り薬を塗っていると重症のアトピー性皮膚炎に効果があります。

 2)タクロリムスの塗り薬を6週間連日塗ってアトピー性皮膚炎の発疹が消失したら、タクロリムスの塗り薬を週に2回予防的に塗っておきますProactive療法の方が、Reactive療法(アトピー性皮膚炎の発疹が出た時だけタクロリムスの塗り薬を塗る治療法)よりも再発が少なく、皮膚の良い状態を維持することが出来て、さらにさらに再発までの期間が長いのが特徴です。

 3)ステロイドのProactive療法でも同様に、Reactive療法よりも再発が少なく皮膚の良い状態が維持することが出来ます。
 ステロイドの塗り薬もアトピー性皮膚炎の発疹が出た時だけ塗るReactive療法ではなく、皮膚の状態が良い時でも週に1~2回ステロイドの塗り薬を塗っておくProactive療法の方が良いことになります。

 4)アトピー性皮膚炎の発疹を消失させるための初めに使うお薬はステロイドの塗り薬の方がタクロリムスの塗り薬よりも効果は高い傾向があります。

 5)Proactive療法は、タクロリムスの塗り薬でもステロイドの塗り薬でもどちらでも有効です。

 6)ステロイドの塗り薬で始めるProactive療法の方がアトピー性皮膚炎の発疹を消失させる確率が高く、予防にも良いことがわかってます。

 7)Proactive療法をしている時の方が、アトピー性皮膚炎が再発した時の改善が良い傾向があります。

 8)Proactive療法はステロイドやタクロリムスの塗り薬を、アトピー性皮膚炎の発疹が消失するまで連日塗ります。
 その後にステロイドやタクロリムスの塗り薬と保湿剤を隔日に交互に塗ります。
 この状態で皮膚が良ければ、ステロイドやタクロリムスの塗り薬を3日に1回の塗り方に変更します。
 つまりステロイドやタクロリムスの塗り薬を1日塗ったら、2日目と3日目は保湿剤を塗るのです。
 このようにしてステロイドやタクロリムスの塗り薬の塗る間隔をゆっくりと空けていくProactive療法が有効なのです。

 9)Proactive療法の方がReactive療法よりも伸長の伸びも良く、血液検査のアレルギー要因を示すIgEの値も下がってきます。

 10)Proactive療法をしたお子さんは卵白アレルギーのIgEや牛乳アレルギーのIgEの値が下がってきますが、Reactive療法ではこの傾向はみられません。
 これはProactive療法の効果で、皮膚から食物が侵入して食物アレルギーを起こす機会が減るためです。
 皮膚がツルツルの良い状態だと食物アレルギーの原因食物が皮膚から入ってこないのです。

 11)Proactive療法を成功させるためには、見ても触れても湿疹が「ゼロ」の状態(皮膚がツルツルした状態)にしてから、Proactive療法を開始すると良いのです。

⑩TARC
  1) 皮膚が良い状態を維持出来る指標として血液検査の「好酸球数」や「LDH」や「TARC」がありますが、TARCが最も鋭敏な指標になります。

  2)アトピー性皮膚炎の重症化に伴って「TARC」の値が上昇します。

  3)アトピー性皮膚炎が改善してくると上昇していた「TARC」の値が下がってきます。
    

  4)皮膚の状態だけでなく血液検査によって「TARC」を測定することで、アトピー性皮膚炎が改善しているという客観的な判断が出来ます。

 
  5)皮膚の状態が良くなりますと、血液の「IgE」や「TARC」の値も下がってきますが、「TARC」は健常者の値(125くらい)まで下がってきますが、IgEは下がってきても健常者の値までは下がりません。

  6)「TARC」は乳児は基準値が高く「500~1000くらい」で5才以降は「400くらい」が正常の基準値となります。

 

⑪アトピー性皮膚炎は自然に治るとは限りません。
 成人の重症のアトピー性皮膚炎の多くは乳児期の発症です。

 

⑫乳児期のアトピー性皮膚炎は食物が皮膚から侵入して食物アレルギー招く恐れがあります。

⑬アトピー性皮膚炎の「かゆみ」による「睡眠障害」が成長抑制を招く恐れがあります。

⑭アトピー性皮膚炎の皮膚からの体液の漏出は低タンパク血症や低ナトリウム血症や下痢・発達障害を招く恐れがあります。

アトピー性皮膚炎アトピー性皮膚炎治療のエンドポイント

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国立三重病院 藤澤隆夫先生講演会より

①アトピー性皮膚炎は生活の質を著しく低下させてしまいます。
 1)強いかゆみは~
  不眠をおこします。
  落ち着きがなくなります。
  勉強に集中できないお子さんになります。
 2)外見上の問題が~
  外見が気になって外出が出来ないことがあります。
  友達からいじめられることがあります。

②生後4ヶ月(乳児期)発症のアトピー性皮膚炎と3才以降発症のアトピー性皮膚炎は異なります。

③アトピー性皮膚炎の重症度と血液検査のTARC値は相関があります。
 1)重症のアトピー性皮膚炎ではTARC値が高くなります。
 2)アトピー性皮膚炎を治療する前と治療した後で比較しますと、治療前に高かったTARC値は治療後には下がっていますので治療の効果として良い指標となります。

 

④赤ちゃんのアトピー性皮膚炎で血液検査をしてみますと食物アレルギーを示すお子さんが多くみられますが、実際には食物アレルギーの症状は出ていないお子さんがほとんどです。

 

⑤1歳未満の小児の重症のアトピー性皮膚炎では栄養状態が良くなくて低アルブミン血症を起こしやすいのですが、このような赤ちゃんに皮膚をきちんと治すだけで低アルブミン血症が改善して栄養状態が良くなります。

 

⑥小児のアトピー性皮膚炎では誤った民間治療やアトピービジネスが最も危険です。正しい治療が重要です。

 

⑦アトピー性皮膚炎では皮膚は必ず良くなりますので少し良くなったからといって途中で塗るのを止めてしまうのはリバウンド(アトピー性皮膚炎の再燃)の大きな原因になります。

 

⑧アトピー性皮膚炎の火事が大きな時には消防車並みのステロイドの塗り薬を使い、小さなたき火くらいの時にはバケツの水くらいのステロイドの塗り薬とを使うと良いのです。

 

⑨プロトピック軟膏を使った時のピリピリとした刺激感を減らせる対策としては
 1)プロトピック軟膏を塗る皮膚の部分に前もって十分の保湿剤を塗って、その上からプロトピック軟膏を塗ると良いです。
 2)プロトピック軟膏を塗る皮膚の部分にステロイドの塗り薬で、しっかりと治療をして皮膚がきれいな状態になってからプロトピック軟膏を塗ると良いです。

 

⑩非ステロイド系抗炎症薬(塗り薬)は
 1)抗炎症作用は極めて弱く塗りますと接触性皮膚炎(カブし)を起こりやすい傾向があります。 
 2)非ステロイド系抗炎症薬は、アトピー性皮膚炎の標準治療ではなく、間違った治療になります。お母さんが非ステロイド系抗炎症薬の方がアトピー性皮膚炎に良いというのは誤解です。

 

⑪休憩時間は出来るだけ日陰で過ごし、必要ならば日焼け止めを塗ってお肌を守りましょう。

 

⑫汗はアトピー性皮膚炎の悪化因子ですので汗をかいたらシャワーで流しましょう。

⑬アトピー性皮膚炎があっても普通の生活をすることが治療の目標です。副作用のない治療で快適な生活、かゆみでつらい生活をしない学校生活を普通に出来ることが目標なのです。

アトピー性皮膚炎のスキンケアと外用療法

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杏林大学医学部 塩原哲夫先生講演会より

1.アトピー性皮膚炎のお子さんは「秋」に生まれたお子さんが多い傾向にあります。

2.何故アトピー性皮膚炎が増えたのでしょう。それは「汗」をかく機会が減ったためです。

3.汗腺(汗を分泌する組織)2才半までに出来上がります。

4.お子さんの方が大人の人より汗っかきです。

5.最近のお子さんは全身の汗をかくことが減り、逆に手のひらに汗をかくことが増えています。

6.皮膚の一番表面の角層という部分に、いかに水分をためておけるかがスキンケアのコツになります。

7.野外での夏期の相対湿度の低下と冷暖房の普及が角層内水分量の低下になり、お肌が乾燥してくるのです。
昔は野外は暑く湿度も高く冷房の設備もなかったので、一杯汗をかく機会があったのです。

8.保湿剤(ヒルドイド)を乾燥した皮膚に塗りますと角層内水分量が増加します。

9.ステロイドの外用剤を乾燥した皮膚に塗りますと角層内水分量が低下します。

10.「汗」をかきますと、角層内水分量が増加します。

11.角層内水分量を低下させる薬剤として抗ヒスタミン薬や抗うつ剤があります。

12.「汗」の中には抗菌物質が複数入っています。この抗菌物質の中には皮膚の善玉菌はやっつけないで悪玉菌をやっつけてくれる働きがあります。
ですので発汗が減少しますと抗菌作用が低下しますので「とびひ」や「カポジ水痘様発疹症」などの皮膚の感染症を起こしやすくなるのです。

13.運動をしますと汗をかきますので角層内水分量が増えますので、この状態で保湿剤(ヒルドイド)をぬりますと更に角層内水分量が増加します。

14.プロトピック軟膏はステロイドの外用薬と違ってぬりましても角層内水分量はあまり下がりません。

15.アトピー性皮膚炎では発汗反応が低下していますので、アトピーの発疹のあるところでも発疹がないところでも皮膚に汗をかかない特徴があります。

16.アトピー性皮膚炎では汗をかかせた方が良いのです。

17.アトピー性皮膚炎では発汗の減少により角層内水分量が減少して炎症が起こしてくるのです。

18.保湿剤(ヒルドイド)は発汗反応を改善させます。保湿剤(ヒルドイド)をぬったところは発汗が促進されます。ステロイドの外用をぬったところは発汗が低下します。

19.全身のバランスの良い発汗が大切です。アトピー性皮膚炎では暑い環境にいても汗をかきませんので暑い環境が苦手です。

20.アトピー性皮膚炎では全体の発汗量がとても低下しています。

21.保湿剤のヒルドイドは発汗を亢進させますが、ワセリンは逆に発汗を低下させます。

22.汗をかくには、冷房はあまりつけない方が良いことになります。

23.次の3点がありますとアトピー性皮膚炎になりやすくなります。

 1)学生時代に激しいスポーツをしていた人が急にスポーツをやめた場合
 2)入浴を止めてシャワーのみにするようになった場合
 3)ナイロンタオルで皮膚をこする場合

24.成人の難治性皮膚疾患では一保湿剤のヒルドイドソフトを25g(1本)/日と大量に使用しますと皮膚の状態が改善してきます。この場合にたっぷりと厚く塗って、その上からサランラップでおおってヒルドイドがとれないようにすることが大切です。ヒルドイドソフトは、お風呂を出でから直後に塗ると良いでしょう。

25.保湿剤はジェネリックのものでは角質水分量の増加がほとんど見られず効果がありませんので注意が必要です。

26.保湿剤は皮膚部(発疹のある部分)以外にも使用することが大切で厚くたっぷりと、たくさんぬると良いでしょう。

27.シャワー浴より入浴のが角質内水分量にとっては良いことになります。

28.プロトピック軟膏はステロイドの外用薬と異なって皮膚を乾燥させることはありません。皮膚の発汗低下が皮膚を乾燥させる最大の原因です。

29.赤ちゃんのアトピー性皮膚炎ではオムツのところには発疹があまりできません。これはオムツをしている部分は発汗が亢進しているので乾燥しないからです。

30.アトピー性皮膚炎で感染を起こした時はステロイドの塗り薬を使用した方が感染の原因の細菌の減少が抗生剤のぬり薬より速い場合があります。

アトピー性皮膚炎の治療

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福井大学 大嶋勇成先生講演会より

①誤った食事制限は栄養摂取不足や偏りが生じます。例えばミルクアレルギーで抗アレルギーミルクを飲んでいて湿疹になった場合は抗アレルギーミルクは栄養成分の一つであるビオチンがないこともありビオチン欠乏症をおこして湿疹が治らないケースがあります。この場合は塗り薬ではなくビオチンを内服すれば良くなります。

②アトピー性皮膚炎と思ってアトピー性皮膚炎の治療をしていて良くならなければWAS(ウィスコットアルトリット症候群)のような免疫不全症による湿疹を考えて、その治療をしないと良くなりません。WASは新生児で血小板が低値で湿疹がある事が特徴で骨髄移植が治療法になります。

③アトピー性皮膚炎のように思えてもアトピー性皮膚炎の治療をして良くならない時には他の病気を考えて、原因を探して、それを治療することが大切です。

④アトピー性皮膚炎では湿疹部分からの組織液の漏出があるために低タンパク血症や低ナトリウム血症をおこしてきます。

⑤アトピー性皮膚炎の症状は「ぜん息発症」の危険因子となります、ダニアレルギーがあり皮膚症状が良くないと、この傾向は著明です。

⑥抗ヒスタミン薬の「アレロック」には皮膚のバリアキノウ障害の改善効果があります。

⑦ダニアレルギーのお子さんでは抗ヒスタミン薬の「ジルテック」投与により、アトピー性皮膚炎のお子さんの「ぜん息発症」の予防効果があります。

⑧ダニアレルギーがあるお子さんが、お肌が早期にいろいろな抗原にさらされてしまうと「ぜん息」への移行が多いので早期にアトピー性皮膚炎を治療してお肌を良くすることが大切です。

⑨お子さんの「アトピー性皮膚炎」と「ぜん息」の合併している患者さんにプロトピック外用療法を行ない「アトピー性皮膚炎」の症状を良くしますと「ぜん息」の症状も良くなります。

⑩乳児の湿疹による睡眠障害は、10才児の時の精神症状影響が出ます。

⑪学童期は、かゆみ止めのためにボーとして勉強に集中できない面がアトピー性皮膚炎で多くみられます。大切な事はスキンケアと外用剤と非鎮静性の抗ヒスタミン剤(眠気のおこらない内服のかゆみ止め)を使うことです。

⑫未熟児に保湿剤を使用しますと皮膚の炎症を予防することが出来ます。(早期の保湿剤の開始はアトピー性皮膚炎を防げる可能性があるのです。)

アトピー性皮膚炎の病態とかゆみ治療

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東京大学 佐藤 伸一先生講演会より

①アトピー性皮膚炎は「フィラグリン」の機能異常によっておこる皮膚のバリア異常が原因です。

②フィラグリンの機能として

 1)皮膚の表皮細胞を平坦化して皮膚を守ります。
   (バリア機能をつかさどっています。)

 2)天然の保湿因子でもあります。

 

③日本人のアトピー性皮膚炎の20%以上でフィラグリン遺伝子異常が認められます。

 

④フィラグリン遺伝子の異常がみられますと、皮膚のバリア機能障害が誘発されます。

 

⑤皮膚のバリア機能異常がありますと、皮膚が外来アレルゲン(例えば食物・ダニなど)に対して何度も暴露されますので、Th2のアレルギー反応にシフトします。

 

⑥Th2アレルギー反応にシフトしますと、表皮の湿疹に変化が誘導されて、さらに血液中のアレルギーの数値を示すIgE抗体が増加していきます。

 

⑦Th2のアレルギーにシフトしますと、フィラグリン発現の低下がおこり皮膚の障害がおこります。

 

⑧アレロックはその他の抗ヒスタミン剤に比べて、発疹を抑制する効果が高い特徴があります。

 

⑨ぬり薬単独使用ですと「かゆみ」の再発がありますが、「ぬり薬」や「アレロックの内服」ですと「かゆみ」の再発率が低下します。

 

⑩「かゆみ」のない時でもアレロックの内服をしていますと、「かゆみ」が抑制されます。

 

⑪アレロックは短期の一時的な内服より、長期の連続内服の方が「かゆみ」に効果があります。

 

⑫アレロックは抗炎症作用が最も強い抗ヒスタミン剤です。アトピー性皮膚炎は皮膚の炎症ですのでこれを改善してくれます。

 

⑬アレロックは抗ヒスタミン剤によくみられる「仕事や勉強の機能が低下するインペアードパフォーマンス」が最も少ない抗ヒスタミン剤です。

⑭小児においてアレロックが最も効果がある抗ヒスタミン剤と言えます。

アトピー性皮膚炎

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近年特に増加しているアレルギーの病気です。
症状は早い時には1~3ヶ月の、生まれて間もない赤ちゃんからみられます。
かさかさした肌で赤ちゃんのようなすべすべしたきれいな肌でないのが特徴です。

よくお母さん方は「乳児湿疹がなかなか治らない」と言って来院されますが、その多くはアトピー性皮膚炎なのです。

適切な治療をきちっとおこなえば赤ちゃんのアトピーは早く治すことが出来るのです。

皮膚外用剤の正しい使い方

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「皮膚外用剤の正しい使い方」
東京逓信病院薬剤部 大谷直輝先生講演会より

①保湿剤は、「小児のアトピー性皮膚炎」では入浴直後にぬった場合と30分後にぬった場合で比較しても保湿剤の効果は同じです。 また、入浴直後1分後にぬった場合と1時間後にぬった場合を比較しても保湿剤の効果は同じです。 入浴直後にぬり忘れても時間が経過してからぬっても保湿剤の効果はありますのでお風呂のあとは保湿剤をぬりましょう。

②保湿剤はたっぷりと優しく擦り込むようにお肌のしわにそってぬるのが良いでしょう。

③「アトピー性皮膚炎」では、保湿剤は1日2回ぬりましょう。
例えば、ヒルロイドローションは1日2回ぬった方が1日1回ぬった場合よりも、2.5倍の保湿効果が高まります。

④「乾燥皮膚」では、ヒルドイドソフト軟膏よりもヒルドイドローションの方がより有効です。

皮膚外用剤の正しい使い方

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「皮膚外用剤の正しい使い方」
東京逓信病院薬剤部 大谷直輝先生講演会より

①保湿剤は、「小児のアトピー性皮膚炎」では入浴直後にぬった場合と30分後にぬった場合で比較しても保湿剤の効果は同じです。 また、入浴直後1分後にぬった場合と1時間後にぬった場合を比較しても保湿剤の効果は同じです。 入浴直後にぬり忘れても時間が経過してからぬっても保湿剤の効果はありますのでお風呂のあとは保湿剤をぬりましょう。

②保湿剤はたっぷりと優しく擦り込むようにお肌のしわにそってぬるのが良いでしょう。

③「アトピー性皮膚炎」では、保湿剤は1日2回ぬりましょう。
例えば、ヒルロイドローションは1日2回ぬった方が1日1回ぬった場合よりも、2.5倍の保湿効果が高まります。

④「乾燥皮膚」では、ヒルドイドソフト軟膏よりもヒルドイドローションの方がより有効です。

かゆみを科学するーアトピー性皮膚炎のかゆみのメカニズムと対策

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かゆみを科学するーアトピー性皮膚炎のかゆみのメカニズムと対策

順天堂大学大学院医学研究科環境医学研究所、
順天堂大学大学医学部付属浦安病院 皮膚科
高森 建二先生

 

①健康な皮膚では表皮内に神経線維の伸長はみられません。
アトピー性皮膚炎の表皮内には神経線維が伸出していますのでかゆみをより感じやすくなっています。また、表皮内にある神経線維による「かゆみ」には通常の抗ヒスタミン薬は効果がありません。

 

②皮膚の乾燥を呈している肌はかゆみを伴いやすいです。

 

③うるおいのある肌は皮膚の表面の細胞と細胞の間がびっちりくっついているので外からアレルゲンが入ってこないですし、皮膚の中の水分も外に出ていきません。

④皮膚の乾燥はかゆみ閾値の低下となり敏感肌になります。
敏感肌は軽微な刺激に容易に反応してかゆみが誘発されます。また、外部の刺激で過剰にかゆみが増強されます。

 

⑤PUVA療法(紫外線療法)は表皮内神経線維の伸出を減少させてかゆみを減少します。
PUVA療法が表皮内神経の伸出を低下させることでかゆみが減少します。アトピー性皮膚炎にPUVA療法をしますと「かゆみ」がとても減少します。

 

⑥表皮内神経線維の侵入(伸長)を保湿剤は抑制することが出来ます。
その結果としてかゆみが減少します。

 

⑦保湿剤の外用は皮膚の症状が軽い時期から使用すると良いでしょう。保湿剤の外用は表皮内神経線維の侵入(伸長)を抑制して、かゆみを減少させることが出来ます。

 

⑧保湿剤は、家族にアトピー性皮膚炎があるなどのハイリスクの赤ちゃんで新生児の時から保湿剤を使用しますとアトピー性皮膚炎の発症の予防が出来る可能性があります。

 

⑨グリチルレチン酸の外用薬(デルマクリン軟膏)は皮膚のかゆみを抑制します。
これは、乾燥した皮膚の表皮内神経線維伸長を低下させてかゆみを減少させます。

 

⑩かゆみがあるのは皮膚のバリア機能がこわれている「サイン」です。

⑪汗をかいたら水かシャワーで汗を流しましょう。

⑫学校でシャワーを浴びるとアトピー性皮膚炎の症状が改善します。

⑬汗をかくことは表皮内に水分が貯まるので皮膚を乾燥させないので、アトピー性皮膚炎には良いことです。

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お母さんはお肌がきれいになってから、「夜泣きしなくなった」とか「昼間ぐずらなくなった」というお話をよく耳にします。

赤ちゃんは言葉が話せませんから「かゆみ」を「ぐずり」や「夜泣き」で表現していることが多いのです。

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皮膚の表面だけではなく、皮下の部分の炎症を治さないとアトピーは治らないのです。つまり皮膚表面がきれいに改善しても、その後一定の日数はぬり薬をぬりつづけないと皮下の部分の炎症は治りません。

よくあることですが3日つけてよくなったのがステロイドのぬり薬を止めたところ、その後すぐに皮膚炎が悪化したというのは、ぬる日数が足りないのです。

それに加えて一回のぬる量も大切です。

私は外来でこのくらいぬりましょうとぬる量を患者さんのお母さんにお見せしていますが、しっかりした量を一回にぬらないと効果は出ません。

一回量があまりに少ないといくら効果のあるステロイドのぬり薬でも効果は出ません。

 

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ステロイドのぬり薬でよくなったら、初めて保湿剤に切り替えが可能です。

ステロイドのぬり薬でせっかくよくなってもその後のスキンケアが全くされないとアトピーはよくなりません。

 

アトピー性皮フ炎のこどもの皮膚は乾燥していて、水分含有量が正常児と比べてはるかに少ないので、水分補給のための保湿剤が必ず必要になります。

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さらに、保湿剤には皮膚のかゆみをおさえて、アトピー性皮膚炎の悪化を防ぐ効果があります。

また保湿剤をぬることで皮膚の表面に膜が出来て、外からのバイ菌の侵入を防ぎアトピー性皮膚炎によくみられる合併症を予防することが出来るのです。

 

アトピーの治療は皮膚炎がみられている時も治療が必要ですが、一番大切なのは皮膚炎がなくなったときの「保湿」というスキンケアが重要なのです。

アトピーは夏によくなる傾向がありますが、夏に保湿をしっかりとしておくとその冬のアトピーの悪化を回避することが出来るのです。

乳幼児ではアトピー性皮膚炎の治療はぬり薬が主体ですが、かゆみの強いケースではかゆみ止めののみ薬が必要になります。

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かゆくなりやすい傾向があります。

かゆいとかく→かくとアトピーが悪化する→夜よく眠れない→夜間の成長ホルモンの分泌が減り、背が充分に伸びないという悪循環に陥ります。

「かゆみ」はなるべく早く治すことを心がけましょう。

顔のかゆみの強いアトピーは、顔面をかくため眼球を傷つけることが多くなります。2歳以上であれば目の周囲に「プロトピック軟こう」というぬり薬がよく効きます。

プロトピック軟こうは健康な皮膚には吸収されませんが、アトピー性皮膚炎の部分のみに吸収され、かゆみや炎症を治します。

使用はじめの1週間ぐらいはぬった後に「ピリピリ感」が出ますが、それをこえるとそのピリピリ感も消失してアトピーがよくなります。

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眼球をひっかくことで傷つけてしまうと、将来に白内障や網膜剥離の合併症をおこすことがあり、場合によっては失明する可能性があります。
顔、特に目周囲のアトピーには注意が必要です。

また重症のアトピーでは、悪性リンパ腫にかかる確率が高くなることが最近言われています。適切な治療を行うことで、こどものアトピーは治すことが可能なのです。

是非とも合併症のリスクを回避して、こどものストレスをとるためにもアトピーの治療は重要なのです。

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